ハチャの深層

ハチャ独自の視点で ワイン、食、音楽、アート等を レビュ 。 

百貨店のお酒売場

ワイン付き食事会をすると、ワインの評判が良く、参加者から普段どこで購入するのかと聞かれます。蕨、銀座、神宮前、神田などあっちこちですが、ようは街のワインショップです。ワインが好きでたまらないオヤジが店主のお酒屋こそ愛すべき店です。私は百貨店では買いません。百貨店も銀座松坂屋や横浜そごう、銀座プランタンなど好きな売り場は過去にありました。でも、担当者が変わったり、エノテカに取って代わられたら行く百貨店が無くなりました。東急本店、新宿伊勢丹でさえ買いたいと思うワインは殆どありません。結局、品揃えは百貨店ではなく担当者に依存するのです。
 実は、今日なんとなく船橋に行ってみようと思ったのです。でも、何しに?東武百貨店で和食器でも眺めようかなどと考えて出かけました。興味を引く物はなく、西武百貨店もちょっと覗きました。それで、再度、東武の食料品店で物色して、さして食べたいとも思わなかった青葉の中華そばを食し、さらにぶらついて端っこにあるお酒売り場を覗いて帰ろうと思ったのです。いったい俺は船橋に何をしに来たのだ?そう思いながらワインを一瞥したらその品揃えに驚愕しました。嘘だろ?という品揃え。何が凄いかと言うと素晴らしいワインが多いのではなく、退屈なワインが極端に少ないことです。
セラーを覗いたら、またびっくりで笑っちゃいました。するとそれに反応したのか「明かりを付けましょう」と店員が声を掛けてくれました。正確には店員ではなく輸入業者の人が営業で入っていたのです。
「ここのワインの取り揃えは素晴らしいのですが、誰が揃えたのですか?」
「ここの店長です。こだわってますよね。以前は飲食関係のお仕事だったらしいですが。」
ここでようやく、降って沸いたような船橋に行ってみようと言う思いが腑に落ちたのです。
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  1. 2016/12/28(水) 11:09:39|
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バゲット(ヒロ・ヤマモト)

ヒロヤマモトのバゲット

 近所の有名洋菓子店のヒロ・ヤマモトで最近バゲットを扱うようになりました。昨日、店に聞いたところ1日2本のみ作っているとのこと。粉はフランス製で水はコントレックスを使用しているらしいです。コントレックスは小麦粉の産地に合っているということで、他の水だと馴染まないためにそうなったらしいです。バゲットを食べた感想ですが、ビゴのスペシャリテ以上でドミニクサブロンのレベルです。シニフィアン・シニフィエまでは到達していないかなあ。この領域までくると優劣ではなく、好みです。
 私が美味しいなと感じたバゲットは全てフランス製の小麦粉を使っています。たかが粉でそこまで差が出るのかと思ったのですが、冷静に考えたらやはりそうです。何せヨーロッパでは何千年と小麦粉でパンを作っています。パンに適したように小麦粉を作るというのもあるでしょう。とにかく歴史の長さが違うのです。
  1. 2014/08/25(月) 01:19:43|
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ディスペンサー

ディスペンサー

 料理持ち寄りのワイン会にヴィシソワーズを持参しました。ヴィシソワーズにしたのはこの日のワイン会テーマであるシャンパンに合うと思ったからです。それに他の人ときっとメニューが重ならないだろうから。会場はレンタルスペースでしたので主催者側で用意されるのは使い捨てのお皿とフォークだけです。スープ皿はありませんので持参するしかないです。それにスープ皿に取り分けるレードルも必要です。あとスープにはやはり適温を外れると味に影響が出やすいです。参加者はこれらのハンディでほぼ諦めるだろうとの読みです。「スープにしようとしたけど、どうしたらよいのかわからなくて諦めました。」そう言う人が実際にいました。
 スープ皿は容量30ccほどの使い捨ての透明容器を合羽橋で購入。短いレードルを探したのですが見つかりませんでした。諦めかけたときに目に入ったのは、ファストフード店などで見かけるケチャップやマスタードを入れる容器。高さ20cm位の円柱の容器で注ぎ口が円錐になっているものです。これにスープを入れたらレードルはいらないじゃないかと閃きました。入れ易いようにじょうごも購入しました。
 当日の使い勝手は上々でした。そもそも、こぼしようが無いです。因みにこの日の参加者は22人。会場まで冷たさを保つ工夫ですが、白ワインやシャンパンを低温に保つため断熱材が入ったバッグに保冷材を入れました。

  1. 2011/06/12(日) 19:49:27|
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日本の野菜の将来

 先日、パリのトゥール・ダルジャンについてのドキュメンタリー番組を観ました。鴨の血のソースを作るところが本編が始まる前に予告として出てきて期待しました。しかし、ミシュランの星が減った(3→2→1)ことに対して新しいオーナー(息子に世襲)が苦闘する姿を追っているのが主でちょっと期待外れに終わりました。しかし、途中厨房に野菜を届けに来る日本人が登場したところで興味はそちらに移りました。
この人は山下朝史と言い、以前はフランスで盆栽を作っていたのですが、その後野菜を作りだすという根っからの農家ではないようです。しかし彼の野菜は人気だそうで星付レストランのシェフは誰もが絶賛のようです。多品種の野菜を少量ずつ丁寧に作っているとのこと。
 トゥール・ダルジャンのシェフ曰く「日本の野菜は美味しい」この言葉には驚きました。山下氏は全て日本の種を使っているとのこと。

 昔から日本の野菜はフランスにはかなわないと言われてきました。それは土の力が違うから。日本の痩せた土地では限界があり、こればかりは仕方が無いと言われたものです。

 山下氏のホームページもあるようですので、覗いて見ましたがなかなかの力量とみました。さて、ここからちょっと想像してみます。現在、日本ではイチゴや梨、生食用のブドウなど新しい品種が登場して甘さを競っています。それは日本人の得意とするところ。これは野菜だって同じ。トマトやジャガイモの品種が多くなりました。山下氏の農園では昔ながらの品種を使っているかも知れませんので断定的なことは言えませんがその辺りが評価されている一因なのかと思ったのです。
 さらに想像を進めます。山下氏の野菜はともかくとして、日本の果物、野菜って輸出できるのかもしれないと思ったのです。輸出というのは出来上がった商品ではなく、日本の種。
 食の需要の殆どはそれなりに食べられれば良いなのですが高級志向の需要もあり、今現在一部の高級なフルーツは輸出されています。これをもっと発展させたのが種の輸出です。日本の農業の生き残り方法のひとつとなりえるのではないかと思ったのです。ただ、もちろん種だけではだめで、作るノウハウも一緒でないと成功は難しいでしょうけど。
  1. 2010/10/08(金) 23:07:21|
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アラン・デュカスのひと皿フレンチ 魚

デュカス料理本
 料理道を邁進する私にとって世の著名料理人はすべからく「凄い」のであるが、好きかどうかはまた別の話です。著名料理人の中ではアラン・デュカスは本当に好きである。何故に好きか考えたのですが端的に言ってデュカスは食材を尊重しているし、食材の生産者を尊重している。凡百の料理人が言う「食材にこだわる」と似てはいますが違うように思います。いつだったか日本に来て畑に案内されるところを観たことがありますが、畑までの途中の道に生えている一般には食用ではない草(?)を指して「これは何だ?」と質問し、そして、食べる。また別の草を指し質問して、そして食べる。これは衝撃的な映像でした。食べたあとのデュカスの反応ですが何度か首を縦に振っているのが印象的でした。私の勝手な想像ですが、デュカスは香り、食感、テクスチャー、歯応え、繊維の有り無し、えぐみ、などその草がもつ性質を確認していた風に見えました。素人なら食べれるかどうかで終わるような程度のところです。それはデュカスが食材の良いところ引き出す多くの技術を持っているからこそできるのでしょう。食材にこだわる料理人は現地の生産者の所に行ったとしてもその生産者の勧めるものから選んで食し判断する位でしょう。でもデュカスは目に入る全てのものから選んで自分の舌で判断する。好奇心が旺盛というのもあろうが、最終的に自分の舌だけで判断すると言うその自信にひどく感銘を受けたと言うのが正直なところです。それは食材に「拘る」というより「活かす」と表現すればわかりやすいでしょうか。これは似ているようでまったく違います。
 そのデュカスの料理本を見つけました。魚をテーマにしたものとお米をテーマにしたもの。今回購入したのは魚の方。ページ数も少なく価格も¥1200と手頃です。料理哲学というより、料理に対する敬虔な姿勢が感じられます。料理手順の説明ですが、これがあまりにもすんなり頭に入ってきます。一つの料理で写真が20枚程度と多いです。何よりそのコメントがわかりやすいのが素晴らしい。必要な手順の通りに的確に表現されています。文章だけを読んでも映像が浮かぶようです。これには驚きました。きっと注意して表現したというより、普段からのこのような表現をしているのでしょう。写真に対してコメントをつけたのではなく、工程ごとのコメントに対して写真を選んだかのようです。それほど違和感が無いです。私もブログにレシピを載せていますが、その表現が恥ずかしくなるほどです。レシピ表現というのは基本的に料理をしている最中、つまりは余裕が無い状態で読まれるわけです。だから簡潔な表現でわかり易く、必要なだけ冗長性のない表現で書かれるべきと思っていました。それがデュカスの本にありました。
 著名料理人のレシピ本は多かれ少なかれ、自分の言いたいことが見て取れます。でもデュカスの場合は手順を間違わないようにということが見て取れます。このあたりが凄いなあと感心します。

  1. 2010/09/04(土) 17:13:06|
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週末朝市

週末朝市
 マンションのセールストークは環境、価格、利便性などいろいろあるでしょうが、最近は週末に1階広場で野菜市が加わったようです。六本木ヒルズやアークヒルズも行ってみたいと思いつつそのままでした。自転車で行けないことはない距離ですがやはり通うわけではない所というのは行きづらいです。そんなこんなしているうちに近所でそんなところができました。平日のみ(?)営業している店先を週末に借りているようです。うれしいことには殆ど有機野菜です。1軒の農家さん(?)だけなので野菜の種類は20種類ほどと多くはないです。同じ野菜でも「これは農協にだせないから安いですよ」と言われるとそれを買います。安いからというのもありますが、もったいないから。きっと農家さんもそんな気持ちなんだと思います。スーパーマーケットがなかった頃は、お客とお店の人がコミュニケーションして買い物をしていたのです。顔を付きあわせてコミュニケーションするって実のところ大切なことなんだと思います。今回は枝豆を購入して作り方を習いました。人参は生でかじってくださいとのこと。商品を熟知しているからこそのアドバイス。食べてもないスーパーマーケットの店員とは商品知識の質が違います。知っている人から伝えてもらうことこそが自然な形なのでしょう。

  1. 2010/08/10(火) 00:00:10|
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リンゴが教えてくれたこと(木村秋則)

リンゴ木村

 これを読んだのは今年の春、出版されて直ぐだったと思います。読み出したら止まりませんでした。NHKの番組プロフェッショナル・仕事の流儀で「リンゴの木村さん」と噂には聞いていたのですが出会ってよかった本になりました。とにかく中途半端な状態でブログには載せたくないとの思いがありこんなに時間が経過してしまいました。しかし、読後と今現在、私の中での咀嚼の程度はそれほど違いはありません。でももうこれ以上延ばすわけにはいきません。時間切れです。

 食についてどう在るべきか随分前からいろいろ考えていました。日本の食の状態を鑑み自らはどう考え、どう行動すべきかです。そのために食に関する映画を観たり、雑誌を読んだり、実際に意識の高い生産者のものを購入したりです。先週は知人の紹介で港区のエコプラザでの文化祭に行きました。いろいろ行動しつつも自分の中でこうあるべきだろうという答えは見つからずにいました。もちろん答えはひとつとは限りません。それに変化もしていくでしょう。でも今こうであったほうがよいのではないか、ということは決めるべきだとは思うのです。数年後にあの結論は間違っていたと自らが判断しようとです。とにかく少なくとも今の日本の食の状態はとてもよいとは思えないですから。
 私にとっての多くの疑問や、もやもやの答えがこの本には書かれてありました。溜飲を下げるとはこのことかと思いました。素人の私がちょっとやそっと考えたってだめだったのだと本を読んでわかりました。プロである木村さんでさえ数年考えて到達したのですから。

 さて、内容はリンゴ農家である木村さんが無農薬、無肥料に挑戦し9年をかけて到達するという物語です。それまで数年に及ぶ無収入の期間があったり、他の農家から村八分にされたり、そして死のうと行動した末に悟ったこと。もちろんノンフィクションなのですが、ストーリーとしても面白いです。でも、なんと言っても辿り着き理解したことの数々、理詰めではなく、経験からきているので大変分かりやすいですし説得力がありました。読みながら1000円足らずで教えてもらうことにもったいないと思うことしばしば。以下、私が印象に残ったことを記します。

・人間の体でリンゴはできない。リンゴを実らすのはリンゴ。だからリンゴの気持ちを理解しなければいけない。
・とうもろこし畑が被害にあったので、商品にならないとうもろこしをたぬき用に置いたことについて。元々たぬきのすみかだった所を畑にした。それなのに収穫の全てを持っていくから被害にあうのではないか。
・有機野菜も気をつけなければいけません。完熟しきっていない堆肥を使った有機野菜は普通の農薬野菜より、よくない。自然栽培(無農薬、無肥料)の野菜は腐らなく、枯れるのです。

 リンゴの自然栽培に成功した木村さんはその後、他の生産者に請われて自然栽培についてのアドバイスをしているようです。自然栽培が多くの人に認知してもらえる日がそう遠くないうちに訪れることを願うばかりです。わが街の自然食品専門店も、自然栽培のものは売っていませんでした。先週の文化祭では自然栽培のものを扱ってビジネスしている人を一人見かけました。まだまだ、自然栽培の知名度はそんな程度です。大昔は自然栽培しかなかったのです。効率を求めて肥料、農薬が使われた今、その負の部分が見過ごせないと人々は思い始めています。もっと良い方法があるかもしれません。でも安易な先祖帰りと思われようと少なくとも自然栽培というのはひとつの解答であると思います。
  1. 2009/11/08(日) 21:45:43|
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美味しい料理より忘れ難い料理を(後編)

[前編の続き]
 こんな経験をしたことが良かったのか、悪かったのか私はこんなスタイルの料理を目指すようになったのです。話を最初に戻します。ではなんて言われたいのかと言うことです。表現するのが難しいですがあえてするならば
 「美味しんだけど....」なのです。大切なのは前半の「美味しい」ではなく後半の「....」です。これは人によっては想像だったり、混乱だったりでしょう。
 私が目指した料理スタイルは誰にでも受けるというわけではありません。最も多くの人から「美味しい」を引き出すためにはもっと分かりやすい調味をすれば出来ます。例えば「ナス、トマト、チーズ」こう言うだけで多くの人は「ほお」と思うことでしょう。でもそこには面白みは存在しません。私としては何とか食べ手の後ろ髪を引くことをしたいのです。それは意地悪な性格という見方もできるでしょうが、よく言えば食べ手の想像の楽しみを大切にしたいということです。
 ではいったいどうしたら後ろ髪を引けるのか。私の考える方法論はというと、それは美味しさを忍ばせることです。これは所謂隠し味では決してありません。敢えて言えば主張しない美味しさです。舌に主張するのではなく、食べている時は気付かないように、そしてこっそりと無意識の記憶へ刻み込む美味しさをひそやかに忍ばせる。そんなことができそうな料理のときは隠す計算をします。そして、不発に終わるかも知れませんがタイマーもセットします。このタイマーというのは今までにありそうでなかった味。よくある味にしても、全く新しい味にしてもタイマーはかからないというのが私の考えです。食べたその時に判断されてしまうからです。

 さて先日のピクニックに作ったきびなごのエスカベージュですが、この料理が受けた人がいました。先週末会ったときに
 「野菜が美味しかったんです....」と言われました。この人はピクニックに欠席した奥さんにどう美味しかったのか説明してととがめられたそうです。
 「どう美味しかったのか説明してと言っても答えられないんですよ。ハチャさん」奥さんからそんなこと言われて、わたしもちょっと苦笑してしまいましたし、なんだかちょっと可哀相なことした気がしました。この料理を作るときに意地悪な気があったとしたら天罰を受けたまでです。

 使ったのは玉ねぎと人参とピーマンだけ。これをスライスします。3つの食感を合わせるためにできるだけ薄く、人参はかつら剥きにしてからスライスします。人参は薄くすることが難しいので私の中ではこれが今まであったようでなかったに繋げるポイントです。ここまですると口に入れた時に3種の野菜が舌や口中への刺激が変わらなくなり一体感が出ます。つまり3つの独立した野菜から今までにない1つの野菜にするわけです。次にこの3種を選んだのは彩りのバランスもありますが、それぞれから次の味を引き出したかったからです。玉ねぎからは辛味、人参からは甘味、ピーマンからは苦味。さて、薄いスライスにして、個別の個性を無くしたからこそ、人参の甘味が消え、玉ねぎの辛味が消え、ピーマンの苦味が消え、一つの野菜の甘み、辛味、苦味になる。これがありそうでなかった味です。言い忘れましたが3つの味のバランスをとるためにそれぞれの量を決めることも重要です。
 きびなごはカリッと揚げていますので、食感のとことん優しい野菜がその対照としてバランスを出します。今回の仕掛けはこんなところです。

 こんな手の込んだことして、誰に受けるのでしょうか?殆どは受けないけど、たまには当たります。でもこれは当たって欲しい人に当たるのです。逆に当たらないだろうなという人には殆ど当たらない。別に差別しているわけではないのですが、これも言葉のないひとつの会話なのかも知れません。
 
  1. 2008/11/13(木) 22:01:56|
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