品川駅近くの原美術館で束芋のヨロヨロン展が開催されているとのことで訪ねてみました。束芋は若手の現代アーティスト。主に社会風刺の利いたアニメーションを製作します。アニメーションを投射するスクリーンは正面だけではなく左右を含めた3面になっているものが多く、観客が出来るだけその世界に入っていけるようになっています。登場人物は何も喋りません。正確に言うとどの作品も喋るようなシチュエーションではないのです。登場人物の誰もが喋らず何かを表現するのは風刺テーマに沿ってパントマイムをするかのようです。何気なく見るとなんてことない風景なのですが、よく見ると凄いこと表現したアニメーション。
日常もそうで、何気なく見過ごしているけど、これは凄いことじゃないだろうかと束芋は語っているようです。アニメーションの特徴として日本の古い浮世絵にある柄、それから色彩を使用していることです。そのため束芋の作品は動く浮世絵と称されます。
今回見おろす形で夜の海とおぼしきアニメーション作品があり、これはモノクロでした。過去の作品についても発表時の展示を撮影した映像が手のひら大のディスプレイで流れていました。束芋の作品は観客に受け入れられるか、受け入れられないかのどちらになってしまうような傾向があるように思います。私はかなり受けました。アニメーションを見ていると突然笑ってしまうことがあったのですが、まわりはそうでもなかったです。表現している具体的なことが笑えるというのではなく、その表現感覚が可笑しいのです。つまり、作品を笑うというよりどちらかというと作品を作った束芋を笑うということ。それはコメディアンを笑うのと同じ感覚です。
スポンサーサイト
- 2006/08/03(木) 00:48:25|
- アート
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0