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ハチャの深層

ハチャ独自の視点で ワイン、食、音楽、アート等を レビュ 。 

チャイコフスキーの悲愴(ミハイル・プレトニョフ)

 悲愴は私の一番のお気に入りの曲です。本当にたくさんの指揮者を聴いて、フリッチャイとプレトニョフに辿り着きました。そのプレトニョフの指揮によるロシア・ナショナル管弦楽団です。以前に出していたCDは何度も聴いていたので期待は高まりました。

 第1楽章が始まるとその旋律の美しさに涙しました。この楽団の奏でる音の美しさといったらありません。この日もいつものようにハーモニーの完成度はとても高くフォルテシモにも荒れることがありません。音楽は美しいワルツの第2楽章、そして、一番盛り上がる第3楽章、そして、緩徐楽章の最終楽章と進みます。ここで不思議な感覚を感じました。とても早いのです。テンポのことではなく、実感としてもう終わりなの?という感覚です。楽しいからこそ時間の経過が早く感じられるのでしょうがそれにしても早く感じられました。
 全体的ににこれ以上何を望むのだろうかという完成度です。でも完璧さを感じさせる音楽スタイルは凄いのでしょうが、いまひとつ馴染めない気がしました。前回の横浜でのショスタコーヴィチは完璧さに加えて高い芸術性を感じさせました。今回の悲愴は曲からすると神の完璧さというより、人間臭さのほうがあっているのではないかと思ったのです。つまり音的には完璧さを求めつつ、音楽的には人間らしさを感じさせるような。勝手なこと言ってますがそれもプレトニョフが凄すぎるからということなのです。実際この日の聴衆も演奏自体は素晴らしいという反応を見せましたが、感動的というほどではなかったようでした。プレトニョフが調子悪かったのでしょうか。

7/4 サントリーホール

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  1. 2009/07/06(月) 18:41:38|
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