ハチャの深層

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ドガ展

ドガ展

 世間ではドガはバレリーナの画家なのでしょうが、わたしにとっては近代都市パリの生活の画家です。もちろん、今回の展覧会の目玉である「エトワール」はそれはもうすこぶる素晴らしい作品です。バレリーナの緻密な動きから勝手に緻密な描写と勝手に想像していましたが割と簡略化して描かれていました。恐らくは左からの照明、そして躍動感を際立たせるためなのでしょう。バレリーナの画家と称すにはこの作品以外にバレリーナにまつわる重要な作品の展示が少ない気がしました。もちろん展覧会にはいろんなテーマはあってよいかと思います。しかし、これだけ大規模なドガ展にしてはちょっと寂しい気がします。さて、バレリーナどころか近代都市の生活を表した重要な絵画も少ない気がしました。私のお気に入りの「アプサントを飲む人」が無いのは残念でしたしその他にもパリの日常をモチーフにした絵画が無さ過ぎる気がしました。

 都市生活の画家ドガの魅力はモデルがモデルの意識をしていない所です。描かれていることを意識している感じではない所。意識していない感じであるとしても所謂絵になる構図ではない所です。鑑賞者はなにやら覗き見しているかのような錯覚を覚えます。カフェでアプサントを飲む人(中毒?)が普通絵になるとは思えないですし、バレリーナの練習風景は男性からすれば覗き見に近い意識が生まれます。
 さて、今回の展覧会ですが一つ印象に残った絵があります。「画家マーセリン・デブタンとレピック子爵の肖像」二人の男が座って正面を見ているのを横から描いたこの絵は黒と茶色ばかりが使われています。近寄って見ると何が描かれているのかよくわからず、また離れます。すると男たちが浮かび上がります。これがなんとも見事です。ドガという画家は一筋縄ではありません。エトワールほど心洗われる作品にさえ、左上に正装した男性が描き込まれています。彼はその娘の父親、もしくはパトロンとみるかは鑑賞者の自由でしょう。私はドガのこういうアイロニカルなところがたまらなく好きなのです。

~12/31 横浜美術館

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  1. 2010/09/23(木) 16:55:38|
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