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伊東豊雄 建築 新しいリアル

伊東豊雄新しいリアル

 せんだいメディアテークを現地に行って見たいという衝動が去年ありました。仙台に行くのであれば伊東の作品以外に何か見どころはないかと思案していたそんな記憶があります。それくらい最近の伊東豊雄の作品は魅力的です。

 伊東豊雄の最近の作品は曲線、曲面の多いデザインです。曲面をどうやって表現するかは単に点と点の間が狭い格子(グリッド)で表現するだけです。CGによる曲面表現が目の細かい網で表現されているのがまさにそれです。曲面が多いとは言ってもそれは自然界ものではなく、あくまで人工的に、数学的に割り出される曲面です。
 最初に目を引いたのは瞑想の森各務ヶ原市営斎場です。この建物の屋根がきれいな曲面です。実際にどう造ったかの実物、つまり型枠と鉄筋の実物大模型がありました。これは5メートル四方くらいの大きさで、自由にその上を歩くことが出来ます。グリッドの集合で曲面を造るというのを実物で視覚的、触覚的に体験するのです。それにしても設計するは易しですが、造るは難しで、鉄筋は曲がるはず無いですし、型枠だってせいぜいたわむだけです。
 次の区画は展示フロアの床が全部曲面になっておりそこに作品の模型が数個点在しています。模型の周りには人が一人入れるくらいの穴が開いており、そこに入ると丁度模型を眺める良いスポットになるという具合です。この区画は靴を脱いでの鑑賞となります。この展示模型の中で、リラクゼーション・パーク・イン・トレヴィエハは巻貝を横にしたような渦を巻いた建物(?)です。でも巻貝というのはその形が一方に行くに従って窄まっているという形のせいです。正確には一方を絞った形の南京玉簾を4つ使って円錐のような形を造っているのです。これはまさに数学的な曲面を視覚的に示したものです。
 この外にはホルム・ベンチ・"リップルズ"なる木製のベンチがあります。脱いだ靴を履けるように座れます。これは着色した5枚重ねの合板の長いベンチですが何箇所か丁度、人のお尻の大きさほどに削っています。これが中心に行くほど深くなっているので中心に向かっていくに従って下の板が見えるようになっているのです。5枚とも色が違うので同心円のデザインになっているのです。この発想にはびっくりしました。
 この他にも素晴らしいデザインはいくつかあります。そう言えば表参道のTOD'S(2006/12/7記事参照)の型枠もありました。

 建築展というのは内なる感動はあっても視覚的、触感的に感動することはめったにありません。特に展覧会では触れるというのはご法度なのです。しかるに、こんな狂喜した建築展は今までありませんでした。建築に限らずこの展覧会は久し振りに素晴らしいと感じました。それはこの展覧会が伊東豊雄が主体的に関わっていることに大きな要因があります。
 多摩美術大の図書館は完成したら是非訪れたいものです。そこはフランスの修道院の内部で見られるアーチ、それが無数にあります。そこには規則正しさがないのです。その不規則さのバランスが見事なのです。
初台オペラシティー(12/24まで)

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  1. 2006/11/16(木) 00:00:09|
  2. アート
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