ハチャの深層

ハチャ独自の視点で ワイン、食、音楽、アート等を レビュ 。 

モツレク(アーノンクール)

アーノンクール

 モーツァルトのレクイエムはケッヘル626である。以前、渋谷にレクイエムK.626というワインバーが在りました。飲食店にしては重すぎる名前のように思います。悪魔が自らの正体を隠して経営しているような店でつけそうな名前です。今、思い出してみても、名前の重みからすると揃っているワインが軽すぎる気がしました。もちろんK626という番号はヘビー級なので相対的な意味です。活気のあるとてもいい店でした。業態が若干変わったのを契機に店の名前も変えたのが残念です。
 さて、今年のNHK音楽祭のテーマは生誕250周年のモーツァルトである。生誕100周年のショスタコーヴィチでもよさそうなものだが、そうもいかぬだろう。公演スケジュールでひときわ魅力的なものがアーノンクール指揮のモーツァルトのレクイエムであった。モツレクを聴く機会というのはそうあるものではない。そして、オーケストラはN響ではなくアーノンクールが引き連れてきたウィーン・コンツェントゥス・ムジクス、合唱はアルノルト・シェーンベルク合唱団である。アーノンクールは昔から古楽器を用いての演奏を行っている巨匠である。この演奏が日本で聴けるなんて夢のようだ。
 そもそも私はアーノンクールはあまり好みではなかったのです。でもハイドンのオラトリオ 天地創造のCDを聴いて思わず刮目、反省しました。
 当日の公演は古楽器を使用していました。演奏者が30人ほど、合唱者が50人ほどでした。演奏編成が小さいせいでしょうか、音量はやや小さめと感じました。でも素晴らしい音でした。恐らくは古楽器のせいでしょうか。神経に障らない角のないまあるい、穏やかなと言えばよいのでしょうか。音だけを考えるなら眠りを誘うような音です。他のお客もいつもと違うと感じたのでしょうか、休憩時間に私と同じような印象を話していました。その人は「もしかしたらピッチが低いのかしら、普通は440Hzなのだけど」と話していました。合唱も楽器の音量に合わせてやや小さめに感じました。これは意図したことでしょうが、音量が抑えられているために声がきちんとコントロールされてとてもきれいでした。もちろん合唱団のレベルが高いというのもあるでしょう。

 演奏は聴く、音に包まれれという感じではなく、演奏者の奏でる音の中、その空間、奥深くへ入っていくような感じでした。それは不思議な感覚でした。それはアーノンクールが意図して創りあげた空間なのでしょう。実際に死者を悼む場で演奏されるべくと意識したような演奏。それはひとつのコンセプトであり、まさしく素晴らしい空間でした。
心が踊るように感動する演奏は時折ありますが、心休まるような感動的な演奏は初めてでした。こんな演奏ってあるんだと、しみじみ思いました。
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  1. 2006/11/18(土) 01:08:34|
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【アルノルト・シェーンベルク】について

アルノルト・シェーンベルクアルノルト・シェーンベルク (Arnold Schoenberg, 1874年9月13日 - 1951年7月13日) はオーストリアの作曲家である。12音技法を創始したことで知られる。 アメリカに帰化した際、綴りをドイツ語式のSch?nbergより英語式のSchoenber
  1. 2007/02/21(水) 15:34:46 |
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