ハチャの深層

ハチャ独自の視点で ワイン、食、音楽、アート等を レビュ 。 

パフューム ある人殺しの物語

パフューム


 物語の設定は18世紀のパリ。嗅覚が異常に鋭い男が香りの調合の世界に目覚めていき、そして殺人を犯す。

 人間の五感は視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚で、香りは嗅覚に結びついています。私は昔から人が香りに惹かれる感覚について何故なんだろうと考えていました。もちろん、他の感覚との比較は感覚が違うということから意味がありません。それでも考えてしまうのは香りの記憶への沈着性の深さ、それと惹かれたときの衝動とも言うべき強さです。理性を忘れてしまう、もしくは忘れそうになるほど惹かれてしまう香りが世の中にはあって時折遭遇します。それは生物学的に言うと嗅覚が古い脳と結びついているからでしょう。匂いに惹かれるそのほかの理由は、見えないこと、触れられないこと、聞こえないこと、だからこそなのですが人がそれを表現できないからというのはどうでしょうか。表現できないもどかしさ。人は理解した瞬間に興味を、多かれ少なかれ失います。だからその裏返しとして理解できない限り惹かれてしまう。

 そういう思いが私にあったからこそ処刑シーンでの、あの大胆な展開は割りと素直に受け入れられました。たぶん無理な人もいるのではないかと思います。作品は2時間27分と長いです。2時間経った時点で私の評価は並の上程度だったのです。そして、展開的にあと30分持つのか?と思いました。でもラスト30分は良かったです。妙な表現ですがあれは繰り返される殺人の納得性を表現したものです。しかし、映画鑑賞者たちのこの30分の評価は恐らく分かれると思います。
 映画はドイツ、フランス、スペイン合作で監督はドイツ人トム・ティクヴァ。当時の衣装やセットなどとてもお金をかけて再現性は見事でした。ただ、商業的なことを考えてかセリフが英語なのが残念でした。さて、再現性は見事と言ったもののそれは見た目の話です。香り立つような時代の匂いは再現できていません。香りを主題としている映画ですからぜひともそこまでやって欲しかったと願っているのは私だけでしょうか。もちろん、そこまですることは大変難しいことは承知しているのですが。
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  1. 2007/04/03(火) 19:35:39|
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