ハチャの深層

ハチャ独自の視点で ワイン、食、音楽、アート等を レビュ 。 

スイミング・プール(フランソワ・オゾン)

 渋谷ツタヤで演奏会用の予習CDを借りてレジを見ると長蛇の列。それもそのはず半額週間でした。それで別のフロアのレジに向かったのですが、思わず見逃した洋画のDVDを借りました。フランソワ・オゾンのスイミング・プール。もう3年ほど経過しますか?いまさらのタイミングでレビュしても、そう思ったのですが書きたい衝動が上回りました。
 流行ミステリー作家が出版社、社長のフランスの別荘に滞在し新作を書き綴る。後から来るはずの社長はいっこうに来ず、社長の娘ジュリーが突然現れる。それまでは淡々とした日常だったのだがジュリーが来た日からそれなりの騒動が始まる。そして、殺人が。
 この映画の公開時はいろんな宣伝文句が使われていたようなのですが、私は何の予備知識も持たずに先読みも何もせずに観ました。これが良かったです。オゾンだから先読みしても絶対はぐらかされるとの読みもありました。観終わって、どう解釈したものかと考えていたのですが、30分ほど経ってはたと気づきました。
 観てない人はここからはネタバレありですのであしからず。
この映画の解釈は観た人が好きにすれば良いと思います。私の解釈は

①ジュリーが現れた時点から作家の想像でそれは新作小説の内容そのままというものです。つまりジュリーが現れてからは滞在経過ではなく、小説の内容の映像化という解釈。
→ただ、オゾンがそんな単純な構成をとるはず無いという疑いもあります。そして、作家の想像を示唆するシーンが一切ないというのもとても気になります。それで、もう一つの解釈。

②それは全て現実であるという解釈。ジュリーは社長が作家のために新作のアイデアを刺激するために派遣した。例えば社長の愛人との子供でも良いです。この解釈の場合でもジュリーが登場したときから以降の経過は新作小説に反映されていると思います。そのほかにも殺人直前からが想像の世界という解釈も。

 ①②それぞれの根拠はいくつかのシーンで何とか説明がつきます。それは当たり前でオゾンは正解は一つではなく、複数用意しているのですから。それぞれの解釈に裏付けが取れるようにシーンを埋め込んでいます。なにが言いたいかというと、このバランス感覚が絶妙であるということです。
 この作品はいろんな楽しみ方が出来る作品だと思います。ランプリングを中心に交わされるおしゃれな会話、南仏の強い日差しに映える別荘と風景、サニエ、ランプリングの肢体等々。一番楽しめるのはストーリーの解釈の仕方です。これは観鑑賞中ではなく、鑑賞後のお楽しみです。オゾンのスイミング・プール観た?と解釈談義に花を咲かせるのが一興だと思います。


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  1. 2007/05/23(水) 00:02:35|
  2. 映画
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