六本木の新国立新美術館は驚いたことに「新」が2つもついています。そのうち最初の「新」は取れるのでしょうね。建設最中に近くを通るたびに何を造っているのだろうかと思っていました。今回モネ展にて初めての訪問です。建物の設計は黒川紀章です。

最近の黒川のお気に入りが円錐形の意匠だそうで、今回の建物にも入り口に見られます。建物のレビュはしません。最近ボックス形状の建物のつまらなさが言われています。コンピュータによる構造計算のシミュレーション技術の向上でボックス形状以外でも大丈夫になったが故、意匠に自由度が大きくなったせいです。今回の黒川の意匠はボックスではないですがこの広大な土地、他の景観にさして左右されない場所に建てられる自由度から言えば、私にとって惹かれるものがありません。
さて、モネはやはり良いです。こんなにたくさんモネを集めた展覧会は初めてです。やはり、これでけの数の中にいると、モネの世界に浸れます。モネの絵画の変遷をよく理解することが出来ます。

有名な日傘を差した女性の絵は人物さえも風景の一部とした象徴的な絵です。モネは対象物を風景の一部としてその後描き始めます。
つぎに海の絵、風になびく木の絵。これはさざ波や風による木の枝の振れで動きを表すようになります。これは絵画なので静止画なのですが、鑑賞者の中では動画となります。
その次は水面に写る風景、そして雲や夕暮れの光などの一時としてそのままではないものを捉えようとします。蒸気機関車の煙それから、水面のもや、最後には空気を捉えようとします。ルーアン大聖堂やベネチアの街も建物の前の空気を捉えようとしています。ここまで到達しているからこそ「光の画家」と言われるのでしょう。
モネの絵は絵画であって、光であり空気です。だからこそ、何度モネの展覧会があったとしても私は足を運ぶことでしょう。モネの絵を観るというよりモネの捉えた光と空気を感じるために。
スポンサーサイト
- 2007/06/15(金) 00:00:25|
- アート
-
| トラックバック:0
-
| コメント:2
風と日差しを感じるような展覧会でしたね。「光の画家」の作品をとてもいとおしく思いました。
- 2007/06/18(月) 14:12:31 |
- URL |
- ute #-
- [ 編集]
uteさん、どおも、ハチャです。モネの絵画に対して、いとおしいと言う表現は私にとても、まさにぴったりです。
不思議と言うか、それとも当たり前と言うべきでしょうか、買って帰ったポストカードを部屋に置いたのですがサマになりません。買うときに、そうは思ったのですけど。
やはり、あの絵画群の放つ光を浴びて、空気を吸いながら、さまようのが正しい鑑賞方法のような気がします。思い立ったときに出来るのであれば最高なのでしょうが。
- 2007/06/18(月) 23:37:06 |
- URL |
- ハチャ #-
- [ 編集]