ハチャの深層

ハチャ独自の視点で ワイン、食、音楽、アート等を レビュ 。 

マルレーネ・デュマス(ブロークン・ホワイト)

デュマス

 マルレーネ・デュマスを観に木場の東京現代美術館へ行く。この美術館の木場駅からのアクセスの悪さは来るたびに感じます。どうして広大な公園の端っこに造ったのだろうか?造るなら駅側の端っこではだめだったのだろうか。きっと公園を通って欲しかったのかもしれません。今回初めて駅からバスに乗りました。時刻表を見ると7-8分おきにある。雨が降っている場合はバスが良いかもしれません。今ではバスの接近情報も携帯電話で確認できますから計画的に利用できます。

 デュマスは南アフリカ出身の女性画家。日本での大きな展覧会は初めてのようです。作品は肖像画が多いです。というより、作品は全て人を描いています。それが全身であったり、上半身であったり、顔であったりの違いです。油彩もありますが、墨の作品が多いです。墨というと日本人はどうしても水墨画のイメージから抜けられないですが、デュマスの場合は黒い水彩絵具のような使い方です。現代美術のカテゴリに属しますが分かりにくい絵ではありません。ただ、感覚が面白いです。例えばある肖像画のシリーズでは顔のパーツはある程度リアルに描いていますが、顔の輪郭をはっきりさせていません。まるでおたまじゃくしのような少し不気味な顔だったり。
 小さめの作品群で女性の肖像を木炭と墨で描いたものがありました。どの顔もそれぞれに特徴的で96枚の数はなかなか壮観です。でも一番良かったのは展覧会ポスターにもなっていますが、油彩での肖像画です。3Fに飾られた4枚の大きな肖像画はやはり素敵です。因みに展覧会ポスターは彼女自身です。
 彼女の絵を観てまず感じるのは人の生命感です。墨で描かれたものは特に透けている感覚があります。肉体が透けて魂を垣間見るような感じです。
 デュマスは写真家の荒木(アラーキ)に影響を受けているらしく親交も少しあるようで彼の作品もいくつか所有しているようです。ブロークン・ホワイトは荒木の写真作品を絵にしたものです。荒木の作品は当日展示もされていました。ここでようやくデュマスの絵画に感じるエロチックな感覚に合点がいったのです。もちろん荒木に影響されてエロチックな作風になったのではなく、元々そんな感覚があり、荒木に惹かれたのでしょう。とにかく、デュマスの絵のエロスの感覚は荒木のエロスを彷彿します。ふたりの表現するエロスは似ているようで似ていない面白い関係にあると思います。荒木のは一見生々しい感じがあるのですが実は割りとアーティスティックで、デュマスのはアーティスティックなエロスではなく生々しくリアルなエロスです。彼女は絵を描きながら言います。
「もっといやらしい感じにしたいの。しなきゃいけないと思うの」
「でも、それはあなたしだいでしょ?」
「私がしたいというより、絵がそう望んでいるの」

 絵が望むという感覚はわかるような気がします。絵と言うより絵の中の人物がと言う意味において。デュマスの描く絵は、被写体の魂がエロスというカンバスに閉じ込められてしまうようなリアルさがありますから。
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  1. 2007/06/18(月) 00:02:54|
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