ハチャの深層

ハチャ独自の視点で ワイン、食、音楽、アート等を レビュ 。 

諏訪敦(絵画作品展)

 千駄ヶ谷駅近くにある佐藤美術館には初めて行きました。5階建てですが、細身のビルでした。諏訪の作品は初めてです。絵画はリアリズムです。物によってはスーパーリアリズムと言ってもよいほどです。

 基本的に人物の絵が多いです。その中でも女性のヌードが。髪の毛は一本一本描かれています。血管が透ける肌、微かな皺まで忠実に表現されています。女性たちは一般公募されたモデルだそうで、ポーズ慣れしていないその表情が、どことなくよそよそしさを感じます。もちろんそれは画家が意図したものなのでしょう。他者との関係についてというものを絵画そのものから感じられます。
 展示の中に舞踏家の大野一雄をモデルにした絵が何枚かありました。この中の一枚が極めてリアルに描かれていました。スーパーリアリズムは描く対象の大きさまで同じにしてあたかもそこに存在するかのような表現ですが、諏訪のはそういうのではないです。存在を錯覚するほどではないです。しかし、大野のこの1枚は至近距離で見ると思わず手を伸ばしたくなるほどでした。
 展示の中で一番印象に残ったのは実の父親が病室で寝ている画。そして、亡くなった直後の顔の絵でした。絵がリアルなのが諏訪の絵なのでしょうが、これはシーンがリアルです。それはそうです、初対面の素人モデルとの希薄な関係ではなく、血が繋がった関係ですから。

~2/24佐藤美術館
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  1. 2008/02/19(火) 20:48:41|
  2. アート
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

ハチャさん、こんにちは。
 「大野一雄の幻視」という作品でしょうか、私も思わず手を伸ばしそうになりました。
 この作品展は、リアルな現代女性の絵が多いと知って、どう絵と向き合ったらいいのかと、少しためらいました。実際に観てみると、HPで観たのとは印象が違いますね。繊細で、肌の温もりまで感じられます。モデルの内面が透けて見えるような、驚きとか、不思議とか、そんな風に感じました。「函館弁天町より」と、「father」が印象に残りました。忘れられない作品展になりました。ハチャさんの記事を読まなければ、観に行くことはなかったと思います。見逃さずにすみました。
  1. 2008/02/22(金) 18:41:08 |
  2. URL |
  3. ute #-
  4. [ 編集]

uteさん
 私は展覧会後に画家のホームページで作品を見ました。本物と違ってやはりパソコンで見るとだいぶ印象が違いますね。写真にしか見えない作品もあったり。
 手を延ばそうとしたのは確か、大野一雄の幻視だったかと思います。香川県出身の華道家、前衛生け花作家の中川幸夫が妻有アートトリエンナーレ2003で行ったパフォーマンスをテレビで観たことがあります。ヘリコプターでチューリップの花びら(チューリップは商品にはならないものを使用)を撒くものですが、その時親交のあった大野が踊るのです。残念ながら体調を崩した大野は車椅子で現場に現れ、それでも上半身で表現していました。彼の姿を観たのはその時だけですがやはり単なる老人には見えませんね。
 見逃さずにすんだ、忘れられない展覧会なんて、どうも有難うございます。でも記事をアップするのが展示終了近くで遅いのが難点ですよね。展覧会初日に行って、「みなさんよかったですよ、お勧めです」的な行為はどうしても気恥ずかしく、また押しつけがましい気がしてどうしてもできないのです。
  1. 2008/02/24(日) 15:17:53 |
  2. URL |
  3. ハチャ #-
  4. [ 編集]

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