ハチャの深層

ハチャ独自の視点で ワイン、食、音楽、アート等を レビュ 。 

偶然と必然の境

 今年の初めに知人宅に行ったときのことです。知人が
「実は前回来た時うちの犬を病院に連れて行ったじゃない。でもだめだったんだ」そう言いました。確かに、前回、知人の犬が急に容態が悪くなり、動物病院に駆け込んだのです。小康状態が暫く続き、そして持ち直しました。念のため病院で1泊することになったのですが、私は一区切りついたので、そこで帰ったのです。その後どうなったかは、次に訪問するまで知らなかったのです。知人は
「それでうちの庭のあそこに埋めたの。そしたら、壁にあの子の姿が」
 小型犬でしたので庭の壁のすぐ前に埋めたとのことでした。埋めたという箇所のすぐ先のブロック塀に確かに生前の犬の顔が見えました。それは言われなければ犬の顔ではなく単なるしみのように見えるでしょう。でも、生前の犬の姿を知っている人にほらあそこにと言えば、誰もが、えっと驚くほどです。
 以前オーラの泉で壁から何か粘性のある液体が出ている不思議な現象のことが話題になっていました。その部屋を使っていた亡くなった息子の力ではないかということを、その両親が話していました。しかし、息子さんではなくご両親が息子さんを思っていて今もその思いがその現象を生じさせるのですと、江原氏が解説しました。壁に浮き出る犬の姿に気づいた知人がその放送を観たときに思ったのは、あの壁に犬の姿を出したのは私なんだということです。確かに知人は普通の人より霊感が強い人ですので私はすんなり納得しました。それに犬への思いも強かったと思います。人間の仏壇の脇に犬の写真が飾られていて、毎日拝むほどです。もしかしたら拝むのは人間のご先祖様だけかもしれません。いや、そんなことはないでしょう。それはともかくそれから、知人はこう続けました。
「実はあの翌日は私の母親の手術だったのだけど、間違いなく成功すると思ったの」
 確かにペットは飼い主の身代わりになることがあると言います。もちろん、それが本人の場合もあるでしょうが、本人の大切な人の身代わりとなる場合もあるかも知れません。世の中不思議なことはいろいろあります。私は昔ならきっと驚いたことであろうことも最近ではあまり驚かなくなりました。科学的に証明できないことは認めないというスタンスもわからなくはないです。でも、偶然か、必然か、でたらめか、信憑性があるかの境は、これまでの因果関係という積み重ねの経験の結果として出来てしまいました。だから驚かないのでしょう。
 「ああ、またか」と。
 今日の報道ステーションで盲目のピアニスト辻井伸行が出ていました。そう言えばある人とクラシックのコンサートに行った時の偶然でこんなことありました。
 「実は今日辻井君が出るじゃない。以前話したことあったでしょ。目の見えないピアニストがいて、私辻井君とその家族と食事とかしたことあって仲が良いって。コンサートがあるって聞いていて、行かなきゃと思っていたんだけど、忘れてて。それで今回誘ってもらったコンサートの演目見てどこかで見たようなと思ったらそれがその公演だったというわけ。」
 私としては辻井という名前を知らなかったですし、しかも、この公演を選んだのは彼のコンチェルトではなくそのあとの交響曲でした。この人とはもうひとつ面白いことがありました。誕生日にグレン・グールドのバッハとリヒテルのラフマニノフの2番をプレゼントしたのです。その数日後、会ったときのことです。
 「この前もらったCDだけど、たまたまその前日に友達とあのリヒテルのCDは凄いからやっぱり買わなきゃいけないねなんて、話していたの。そしたら、それが次の日届いたってわけ。」
 単に人の身に起こったことで信じざるを得ないというのであっても、なかなかそこまで到達しないでしょう。でも、自分の身に起こったことなら信じるしかないんですね。そんなに信じないのならと、誰かに見せつけられているような気さえします。たぶん実際そうなんでしょけど。


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  1. 2008/04/14(月) 21:07:51|
  2. その他
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

 ハチャさん、こんにちは。
不思議なことって、あるのですね。飼い主の犬への想いによるものだというのなら、そんなことがあるような、あってもいいような気がします。人の想いというのは、とても強いですものね。
 私は、ハチャさんの余韻を残すような文章がいいなぁと思います。テーマも粋です。読みながら、穏やかな気持ちになります。
  1. 2008/04/17(木) 22:48:59 |
  2. URL |
  3. ute #dq80GGTg
  4. [ 編集]

uteさん、こんにちは。
私が言われたい褒め言葉の一つを頂きました。ありがとうございます。「粋」、実は江戸の粋を研究してまして、自らもそんなになれたらと思っていました。あと、余韻を残すというのも文章を書くときにいつも心がけていることです。響いて頂いて嬉しく思います。
 さて、不思議なことって私は実は数十とあります。でも、腰を抜かすほどのこと、例えば心霊現象とか神の声を聞くようなことは一度もないのです。そんなものかもしれませんね。
  1. 2008/04/18(金) 22:35:40 |
  2. URL |
  3. ハチャ #-
  4. [ 編集]

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