ハチャの深層

ハチャ独自の視点で ワイン、食、音楽、アート等を レビュ 。 

魅力的なのに素直に美味しいとは...

 このブログで時たま載せている店、ル・ギャルソン・ドゥ・ラ・ヴィーニュ。久しぶりに真剣なブラインド・テイスティングをしました。この店でブラインドテイスティングをやっても当たらない。でも当たると自分の感覚が間違っているという結論になるのです。
 まず、白ワインを試します。店主がグラスの上、いつもよりやや上方から勢いよく注ぐ。固いと判断したのだろう。それから珍しくスワリングして供出。やはり固いのだ。ブラインドなので視覚による情報なしに行うのが私の流儀だが、見えてしまったものはしようが無い。色から察するにシュナン・ブラン。香りを嗅ぐと白い花の香り、若干柑橘系、みかんのような香り。石のようなミネラリーな香り。りんごや梨の香りは全く無いので色から判断したシュナン・ブランはここで排除。
 飲むと辛口で割りと確りした酸がある。いつものように自分の頭のリストに当てはまらないワインである。ソーヴィニオン・ブランではない、シャルドネっぽいところはあるものの明らかに素性が違う。1つ思い出したのは
「サヴァニャン」と言う。
「サヴァニャンはもっと酸の乗りが違うでしょ」と店主。
ピノ・ブラン、ミュスカデ、アリゴテではないので
「そうなるともうわからない」
と顔見知りのお客が私が当てるわ、とひと嗅ぎして
「いい?シュナン・ブラン」
驚いたことに店主は
「正解」と言った。
「これがシュナン・ブラン!?こんな、シュナン・ブランってあるの」
「無いです」と店主。

白を飲み終えると赤を勧められる。
「是非、これを飲んで欲しいんですよ」
ひと嗅ぎすると木の香り、スパイシーな香り。このスパイシーさはシラーである。しかし、飲むと柔らかな癖の無いボディに細かいタンニン。なんてしとやかで優しい飲み口。
またわからない。仕方ないので
「カベルネ・フラン」と言う。
「違います」
わけわからないので「じゃあ、カリニャン」
「違います」
ガメイでもピノ・ノワールでもないので、もうわからない。
こんな優しいのがあるのかと思いつつも、他に思いつかないから
「シラー」と言う。
コートロティジャンミシェルステファン

「正解です」
こんな優しいシラーあるの?
「なかなか無いですよ。わかってくれると思ったから飲んで欲しかったんです。今日、ビストロ開いているフランス人が来て、飲ましたけどいまひとつわかってなかったんですよ」
 魅力的なワインと言うのは基本的に飲んでも美味しいものです。でも、飲んで美味しいという感覚がさしてないのに強烈に惹かれるワインと言うのがあるものです。
「上品だ。しっとりとしている。これをワイン覚えたての人が飲んだら、もしかしたら美味しくないというんじゃないだろうか」と私が言う。
「そうかもしれないですね」と店主。
 これは初級者に分からないだろうからと悦に入っているわけではないのです。プロ(店主)も驚く味わいだからこそです。美味しいとは違う次元の魅力的なワイン。だから、いつも思うのです。
「こういうのが美味しいワインっていうんだよな」
 どれとも違う、確固たる主張をするワインと言うのは愛おしいものです。


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  1. 2008/05/08(木) 00:53:00|
  2. ワイン
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