ハチャの深層

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西本智実「幻想ツアー」

幻想ツアー


 西本智実は最近はCMなどに出演しているので認知度は急にあがったとは思います。日本人で海外で活躍する音楽監督or主席指揮者といえば、ウィーン国立歌劇場の小澤、モネ劇場の大野和士、北ドイツ放送の大植英次そして西本智実でしょうか。
 今回は自身の楽団ではなくチェコナショナル交響楽団とのツアーです。土曜のサントリーホールは完売とのことで、今回は横浜に遠征です。やはり人気の高い指揮者&楽団の休日公演は完売になるんですね。
 今回のツアーは福岡、大阪、愛知、横浜、東京、札幌の6箇所各1公演とまさに日本縦断。幻想ツアーという名前から察っするようにベルリオーズの幻想交響曲を中心とする構成です。事前にマリス・ヤンソンス&ベルリン・フィルとピンカス・スタインバーグ&N響で予習しました。ヤンソンスはブラボーありの大喝采でしたが私としてはあまり印象的ではなかったです。スタインバーグのほうは素晴らしかったです。もちろんこちらも大喝采でした。この曲はベルリオーズ自身の失恋をテーマに書き下ろした曲で、西本も自らの失恋経験を活かして指揮しますと語っていました。

 西本智実は音が美しい、揃っていること、響きなどの細部に拘っているようです。手、腕、肩、足、体、使えるものは全て使っての指揮です。それは拍子で振るのではなくスコアに合わせてです。例えば音を伸ばすときは両手を広げたり、音がうねるようなときは体をくねらせ、音の立ち上がりを早くのときは足を踏み出したりする、万事がこの調子です。これは演奏者にとってはわかりやすいでしょう。動きがしなやかなのに緊張感が漂い一瞬たりとも緩慢さが出ません。これが音にも反映されてとてもエレガントな響きでした。ただ、その反面スケール感や厚みがもう少し欲しいと感じたのも事実です。

 ワルプルギスの夜の夢の後半の鐘が鳴る以降の部分で音の重ね方が秀逸な部分がありました。圧倒的な勢いを感じる部分も。そしてフィナーレの直前に弦のパートから管のパートへ音が切り替わりますがその瞬間にぞっとしました。殺気、凄みのようなものを感じたのです。これを感じられただけでも演奏会に来た甲斐があると言うものです。

素晴らしいコンサートでした。

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  1. 2005/11/26(土) 16:44:41|
  2. 音楽
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