
広尾にIMPRESSION(アンプレッション)というビストロがありました。開店は確か1年ほど前です。京橋のシェ・イノにいた渡辺氏がシェフをされていてとても良い味を提供する安価な店でした。今年の夏に伺ったときはとても混みあっていました。でもその直後に店は内装、そして名前も変わってしまいました。アンプレッションはとても気に入っていましたのでショックでした。それから、数ヶ月経った先日その新しい店になんとなく入ってみました。内容はアンプレッション同様でビストロです。ル・ギャルソン・ドゥ・ラ・ヴィーニュと言う名です。「ブドウ畑の男の子」はこの店のメートル飯野瑞樹氏です。フィリップ・パカレ等の作り手の元で2年働いたという彼はこの夏、日本に戻り店を開いたとのことです。
注文したのは秋刀魚のマリネと羊のロティです。ワインには自信あるようでしたから白と赤を一杯ずつ頂くことにしました。
これからは勝負です。いえ、ゲームです。別にやろうと言ったわけではないですが。
まず白。どんなものがあるのかを尋ねると3種類出てきました。蝋封されたミュスカデがありました。
「ミュスカデっぽくないですよ。試してみますか」そう言われ頂きました。シェナ・ブランを感じさせるようなフルーティな香りの不思議なミュスカデはJean Marc Pesnot
羊の皿が供出されて次は赤です。相手の出方を伺っていると、これがいいですねと選択の余地無く赤ワインが注がれました。円錐のボトルでアペラシオンはコトー・デュ・トリカスタン。私がセパージュはと聞きました。
「当ててください」
「でも知らないアペラシオンですよ」
「大丈夫ですから」
「凄くスパイシーですね。でもシラーではないですね」
「そうですね、でもそのへんのですよ」
「ええ?でもグルナッシュじゃないでしょ」
「いや、そのグルナッシュです」
「こんなスパイシーなグルナッシュ知らないですよ」
「いや、あるんです。世の中には美味しいワインがあるんですよ」
フランスに発つ前には青山時代のマルシェ・オー・ヴァン・ヤマダにいたそうです。どうりでワインに詳しいわけです。
この店がどれほどワインに自信を持っているかを示す言葉が飯野氏から発せられました。
「うちの店には普通のワインはないです」
久しぶりにシェフ以外の人でもっている店です。
スポンサーサイト
- 2005/11/27(日) 10:16:57|
- 食(レストラン)
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0