ハチャの深層

ハチャ独自の視点で ワイン、食、音楽、アート等を レビュ 。 

パラレル・ワールドもうひとつの世界

パラレルワールド

 世界には自分とそっくりの人間があと2人いる、というような話。それに超弦理論で10次元などという数字を聞くと同時存在という概念のことを考えてしてしまいます。我々の住む四次元連続時空体は時間は一方向にしか進まない(?)らしいですが、もし違う次元の世界があるとすればそこには別の自分が存在するのはないのだろうか、などと妄想しまいます。
 さて、美術の世界における不思議な世界の代表はシュールレアリズムでしょう。でもそれはある特定の世界観を示しているのであって、世界が並列存在するパラレルワールドとは異なります。もちろん、物理学的な存在のことではなく、複眼的もしくは視点のシフトによる同時存在です。今回の展覧会はそれを誘発するような作品群です。
 ロラン・フレクスナーによる作品で墨が入ったシャボン玉がはじけたときに紙に残した痕跡。それはすべて偶然できたものです。幾何学的でなく、しかも無秩序でもない図柄。これを単にデザインとするなら主旨に足りないでしょう。勝手な解釈ですが弾ける前は三次元である球体。その三次元の表面を紙という二次元に投射した痕跡。その二つがパラレルワールド。
 マチュー・メルシエの動画ロールシャッハも面白かったです。何に見えるかと考えているうちに絵がゆっくり変わっていくのですから。「何に見える」から抜け出せない世界。
 ダニエル・ギヨネの作品、線で描かれた人間が歩くアニメーションが一番受けました。歩いて行くうちに体のパーツがどんどん落ちていく。でも自ら拾う。また、地面からの熱のせいか足元から溶けていきます。でも、なんとか復活していく。主人公は身に降りかかるさまざまな試練にもめげず歩みを止めません。また、その仕草がなかなかユーモラスでこれを見ている観客は笑みを浮かべます。おもしろい、さて次はどんな試練がくるのだろうかと期待します。面のないアニメーションというのがまず新鮮です。一筆書きではないですがやはり、その辺りを意識してのことだと思います。一次元というのとは違いますがそれを連想します。ひと続きの紐が踊って人間を表現するような。この作品はエンドレスとなっています。

 作品を観て良し悪しを判断する、そんな展覧会ではないでしょう。どれだけパラレルワールドに入っていけるかどうか、いざなってくれるかどうかが判断基準でしょうし、来た甲斐があるかどうかでしょう。

東京都現代美術館~9/28
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  1. 2008/09/10(水) 22:16:56|
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