ハチャの深層

ハチャ独自の視点で ワイン、食、音楽、アート等を レビュ 。 

液晶絵画 STILL/MOTION

 絵画が液晶でディスプレイされているだけのはずはないと、思いつつ作家の名前に惹かれて訪ねてみました。森村泰昌、千住博そしてブライアン・イーノ。

【水の森】千住博
 手前には湖と思しき水面。その向こうには静かな森。白と黒のモノクロームで水墨画のような雰囲気を出しています。湖面が微妙に波打って、時折鳥が画面を横切ります。この作品は四曲一双の屏風のようにディスプレイが8つ配置されています。とにかく観ていて心落ち着き、そして気持ちが良くなります。これは動きのない水墨画を見て我々が心のうちで想像している動きを視覚化したものなのでしょう。見事な素晴らしい作品です。

【真珠の耳飾りの少女】森村泰昌
 相変わらず良くできています。フェルメール研究は去年の横浜「美の教室、静聴せよ」展と同じだったので流しました。

【プールの反映】ビル・ヴィオラ
 タイトルは「プール」とあるが私には森の中にある木で囲った四角い露天風呂に見えました。男が現れプールサイドを歩く。正面に立ってプールに飛び込むが、男は空中に留まったまま。水面には誰もいないはずのプールサイドを歩く男の姿が映っています。そして時折水面に波紋が。
水面とそれ以外は別の映像を撮って合成したものです。どうも解像度が低いのが気になったのですがこれは30年も前の作品ということでびっくり。

【浮上するフェルガス】イヴ・サスマン
 一見すると淡いソフトフォーカスな絵画。構図は何かに襲われているのか衣服の破れた数人の逃げまどう男女。でも大変ゆっくりであるが動いています。不思議なものでドラマチックな場面は人間にこのあとどうなるのであろうかという興味を抱きます。

【Yo Lo Vi】ドミニク・レイマン
 ゴヤの異端審問裁判に着想を得た作品。手足を縛られ、頭には円錐の覆面をすっぽりかぶせられた人間が後ろ向きに膝と足先で座っています。鑑賞者は暫く観てから立ち去ろうとすると、囚人の目の前にいて見下ろしている自分の姿を認めます。要は数秒遅れでディスプレイに反映させているのです。これは観ている者と観られている者の逆転を表現しています。これはなかなか良かったです。

【サーズデイ・アフタヌーン】ブライアン・イーノ
 古くはロキシー・ミュージック、そしてミュージック・フォー・エアポートなどの環境音楽で音楽ファンを魅了したイーノ。ビデオを用いるようになったのは30年ほど前だとか。色調豊かな2種類のディスプレイと自身によるアンビエントミュージックが流れます。私にとって良いとか悪いとかではなく、イーノの作品が観られるだけで満足でした。

 古くはナムジュン・パイクによるビデオアート。その後大画面のプロジェクターによる表現と移り、そして高精細の液晶画面による表現。アートはテクノロジーの影響を受けます。新しいテクノロジーで新たなアートの可能性が広がる。そんなことを考えた展覧会でした。

~10/13 東京都写真美術館

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  1. 2008/09/16(火) 00:10:08|
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