ハチャの深層

ハチャ独自の視点で ワイン、食、音楽、アート等を レビュ 。 

飲まれたがっているワイン

 近くのビストロでワインを一杯だけ頂こうと出かける。店主は私の顔を見るなり客が飲み残したボトルから赤ワイン注ぐ。ずいぶんスパイシーだ。飲むとピノ・ノワール。でもこのスパイシーならシラーと言いたいところを抑えて
「グルナーシュ」
「調子悪いじゃないですか」
「シラーじゃないでしょ。ガメイでないし。ピノ・ノワールなの?」

パカレ赤
「さっき篠山紀信が来たんですよ。2人連れで。それで飲み残して」
「パカレのワインってこんなにスパイシーだっけ?」
「言っていることはわかるんですけどね。見事なワインでしょ」
「素晴らしいよ。でも今日は白の痺れるワインを頂きたい。あれはアルボワでしょ?サヴァニャン?」
「いえ、シャルドネです」
「良いんでしょ?」
「ブルゴーニュとは違ったタイプの良さですよ」

アルボワピュピラン
 淡い、上質なワイン。薄いわけではなく、とにかく淡いそして儚いと言ってもよいほどの見事さを感じるテクスチャー。素姓の良いシャルドネを感じる。分析するのが馬鹿らしくなるし、分析を拒絶するワイン。一つひとつを分析しても、美味しさにつながらない。結局は精妙な、もしかしたら偶然のバランスに尽きるからです。すると店主は
「これは今まで開けた中でも一番。当たりですよ。これは良い。」

 こんなワインがあるから飲むのをやめられないんです。ちょっと不遜な表現になってしまいますが彼らは、自分たちのことを理解してくれる人に飲まれたがっているのだと思います。カウンター越しのショーケースにアルボワのエチケットを見てピンと来たのはそんな声が聞こえたのかもしれません。この店の店主の口癖に「これがわかる人は」というのがありますが、それも似たような思いです。

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  1. 2008/09/14(日) 23:55:20|
  2. ワイン
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