ハチャの深層

ハチャ独自の視点で ワイン、食、音楽、アート等を レビュ 。 

エディプス王(N響:シャルル・デュトワ)

 エディプスコンプレックスの意味は知っていても、その命名元であるエディプス王の話をきちんと知らなかったので恥ずかしい思いをしました。特に誰かに対して恥を晒したというわけではなく、知らなければ事前に予習することができたのに、それもしなかったという自分が恥ずかったのです。西洋においてこの程度の知識は誰もが知っている常識的なことなのでしょう。その前提でストラヴィンスキーはこの曲を書いたということなのでしょう。だから、歌詞がラテン語で書かれていても大丈夫。意図としては歌をセリフとしてではなく純粋に音楽としてとらえて欲しかったからだそうです。しかし、要所要所で音楽が中断されて物語の次の展開が語られます。これは公演場所の母国語です。今回は平幹二朗が日本語で語っていました。どの言葉にしろ外国語である日本人からすればその辺は推察するしかないのですが、語りが母国語で詩がラテン語という構成はイタリア人などラテン語をある程度理解する人々にとっては新鮮だったことでしょう。日本で言うなら古典芸能の途中に現代日本語で語りが入る感じでしょうか。
 ストラヴィンスキーといえば春の祭典、火の鳥の印象が強いです。かく言う私も彼がアメリカに移住してからの作品についてきちんと聴いているわけではありませんでした。また、これも知らなかったのですがこのエディプス王は詩人ジャン・コクトーとオペラを作るにあたり作曲したとのことです。今回はオラトリオ形式でした。

 今回の演奏の出来としてはいつものデュトワ節がそれほど見られませんでした。もちろんこの演目は演奏でみせるより総合的にみせなければいけないですから演奏ばかりが目立ってもどうか、という気がします。全体的にはなかなか良い演出だったように思います。いずれにせよ、このような曲を取り上げ、きっちりこなすところがさすがデュトワという感じです。

 さて、コンサートの前半は同じくストラヴィンスキーのミューズの神々を率いるアポロだったのですが、これは抑揚のない地味目の作品です。抑揚がないということは特徴が出せないわけで、観客に訴えるのが難しいです。こけおどしは無し、抑えられた流れるような抑揚でみせていました。しかし、これが素晴らしかったです。曲としてもとても好印象でしたが、演奏が実に素晴らしかったです。舞台で鳴っているというより、天から降ってくるような感じです。これは演奏もそうですがどちらかというと曲調のせいだと思います。ただ、私には受けましたが、多くの聴衆には優しい曲ゆえ、子守唄代わりになっていたのが残念でなりません。

12/7 NHKホール NHK交響楽団
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  1. 2008/12/08(月) 00:11:05|
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