ハチャの深層

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田渕俊夫展

田渕俊夫展

 田渕俊夫という日本画家が京都にある智積院に襖絵を奉納したと言うことで、その記念の展覧会が開かれました。襖絵はなんと60枚で5年の歳月をかけたとのこと。1枚ひと月という計算になります。襖絵は白い和紙に墨の濃淡だけで植物が描かれています。春夏秋冬と絵によっては朝昼晩を表現しています。

 「胎蔵の間」は春で枝垂桜です。枝と背景だけに墨が用いられ花びらは一切塗らないで表現されています。それは息を呑むほど圧倒的です。絵に圧倒というより、満開の枝垂桜に包まれてる感覚にです。

 「金剛の間」は夏で欅です。太い幹の途中でばっさり切られた欅。それでも逞しい生命力を魅せ枝葉を茂らせます。幹の墨の濃さに較べ枝先に向かうにつれ淡く霞んで背景に溶け込んでいきます。これも見事な作品です。

 「智慧の間」は秋でススキです。この襖絵は右側はまだ若い時期、そして左に行くにつれ時間が経過しススキのはらが表現されています。この絵には春から冬への時間の経過もありますが、穂の揺れという時間、さらには音までも捉えています。従来ススキだけの日本画はなかったが田渕はあえてそれに挑戦したとのこと。私はこの襖絵が一番印象的でした。

 智積院には長谷川等伯、長谷川久蔵の作品があります。当然、観る人は較べるが田渕は「それは宿命である。それにあまり意識したら描けない。それより何百年かのちに自分の絵をどう評価するかのほうが興味ある。」と語ります。

 輪郭線のある絵はあまりありません。基本的にそのフォルムだけが描かれています。ですから枝垂れ桜や欅などは障子越しにそのシルエットを見るような感じもします。それこそ、リアリティはそれなりに無ければだめだが、リアリティがありすぎてもだめだという作者の意図を証明しているということに他ありません。

~1/27 日本橋高島屋

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  1. 2009/01/21(水) 00:04:14|
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