ハチャの深層

ハチャ独自の視点で ワイン、食、音楽、アート等を レビュ 。 

花とアリス(岩井俊二)

 ずっと映画にまつわる2つのことが気になっていました。一つは秀作「ラブ・レター」で賞賛されつつも、次の作品「スワロウテイル」で賛否両論を巻き起こした岩井俊二のその後。とにかく「ラブ・レター」は衝撃的でした。シナリオが唸ってしまうほど良く出来ていたことを良く覚えています。もう一つは蒼井優が出演している映画を観てみたいということ。蒼井はCMもよいと思いましたし、去年のドラマ「おせん」も素晴らしかったからというのがその理由です。勘の良い人はすぐにお分かりでしょうがすぐに「花とアリス」に落ち着きました。それが去年の暮あたりでDVDを借りて観るタイミングをはかっていました。しかし、DVDを借りるまでもなくたまたまNHKのBSで先々週放送していましたので予約録画し観ることになったのです。
 これは女子高校生の花(鈴木杏)とアリス(蒼井優)が織りなす青春物語です。アリスは通学途中に気になる高校生を見つけます。花はその傍らの一緒に登校する男の子に惹かれます。このとき中学卒業直前だった花とアリスはこの男子高校生と同じ学校に入学することになります。花はアリスには内緒に彼が所属している落研に入部。上手く彼と付き合うことになりますが、彼はアリスに惹かれるようになります...

 この映画がどれだけの人に受けるのだろうかと思います。もちろん私は新作映画ではないにも関わらずブログにアップするくらいですから大変受けました。2時間20分と長いのに終わるのが惜しいほど、そしてすぐにまた最初から観たい衝動さえ感じました。岩井の映像美は彼の美学が反映されているのだろう。大上段に構える映像美ではなく、さりげなくはあるがあっさりと見せて、あっけなく切る、そんな映像表現は観ているとたまらない。それはセットで作り上げたり、多くのロケーションを敢行し探し出す美ではなく、そこにある組み合わせによる美。例えば野山に咲いている名も無き花をそれに合った花器に活けるが如し。
 セリフも時折余計なところをそぎ落とし、鑑賞者に考えさせたりします。例えば最初の電車通学のシーンでは
「ねえ、どこに行くの?」
「学校」

 それから初めて一緒に高校に通うシーン
「似合わねぇ」などに表れています。とにかく始まってから10分間がすこぶる素晴らしいです。岩井が2時間20分のなかでもかなり力を入れたことは駅名表示のジョークでもわかります。

 演技指導なのだろうかアリス役の蒼井の演技が多彩で、しかも素晴らしいです。笑える箇所もたびたびあります。いわゆる訴えるようなそんな魅せる演技ではなくごくごく自然な演技で惹きつけます。本当に蒼井優はすごいなあと感心してしまいます。撮影時18歳であの演技力なのですから舌を巻いてしまいます。「百万円と苦虫女」を観るの見送ったのは間違いだったかもしれません。
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  1. 2009/02/01(日) 00:10:23|
  2. 映画
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