ハチャの深層

ハチャ独自の視点で ワイン、食、音楽、アート等を レビュ 。 

長く細々と続いた話(3/3)虎の尾を踏む男達

 これは歌舞伎十八番の「勧進帳」の映画版です。勧進帳とは弁慶が義経とともに山伏に扮し関所を何とかやり過ごすという話です。これはひと月ほど前のNHKの大河ドラマ義経でも安宅関の話で表現されていました。

 出演で歌舞伎と異なるのは関所に辿り着く前に出会った村人が弁慶達と同行するということです。関所で弁慶が役人との緊張感溢れるやり取りを行っているドキドキする心理描写をこの村人が滑稽に顔や動作で表現させます。これはなんとエノケンが演じており、映画は彼の六方(歌舞伎で花道に引っ込む時に行う見得をきるなどの動作)で終わりました。これには驚きました。確かに映画ですので弁慶がいきなり六方を演るのはちょっと変です。六方を最後に入れるがために歌舞伎とは別の役を入れたのかもしれないとも思いました。

 この映画を観る前と観た後で團十郎の勧進帳を観たのですが、その印象が当たり前ですが一変しました。それはもちろん映画の方は現代の言葉で表現されていたのでその内容が理解できたからです。勧進帳の予習のためだけでもこの作品の存在価値はあると思いました。歌舞伎十八番の全部の演目に映画版があればよいのにと本心で思ったほどです。映画の作品としての出来を考えるとストーリ、配役ともに歌舞伎からですのでなんとも言いがたいところがありますが、歌舞伎のことを割り引いてても十分楽しめるし、見事な出来だと思います。

 さて世の中には直ぐに終わる話もありますが、長い時間を経て終わる話もあります。この長く細々と続いた話は2年の歳月を経て終わることになりました。もちろん、この先、もしかしたら続きがあるかもしれません。
 こういう長い話って好きです。それはいつまでも引きずっていたり、止まっているわけではなく、話は始まってからずっと生きて、そして僅かながらでも進んでいるからです。

 この冬2年振りにこのバールを訪ねようと思います。この話のことを伝えるために。
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  1. 2005/12/22(木) 00:00:33|
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