ハチャの深層

ハチャ独自の視点で ワイン、食、音楽、アート等を レビュ 。 

リンゴが教えてくれたこと(木村秋則)

リンゴ木村

 これを読んだのは今年の春、出版されて直ぐだったと思います。読み出したら止まりませんでした。NHKの番組プロフェッショナル・仕事の流儀で「リンゴの木村さん」と噂には聞いていたのですが出会ってよかった本になりました。とにかく中途半端な状態でブログには載せたくないとの思いがありこんなに時間が経過してしまいました。しかし、読後と今現在、私の中での咀嚼の程度はそれほど違いはありません。でももうこれ以上延ばすわけにはいきません。時間切れです。

 食についてどう在るべきか随分前からいろいろ考えていました。日本の食の状態を鑑み自らはどう考え、どう行動すべきかです。そのために食に関する映画を観たり、雑誌を読んだり、実際に意識の高い生産者のものを購入したりです。先週は知人の紹介で港区のエコプラザでの文化祭に行きました。いろいろ行動しつつも自分の中でこうあるべきだろうという答えは見つからずにいました。もちろん答えはひとつとは限りません。それに変化もしていくでしょう。でも今こうであったほうがよいのではないか、ということは決めるべきだとは思うのです。数年後にあの結論は間違っていたと自らが判断しようとです。とにかく少なくとも今の日本の食の状態はとてもよいとは思えないですから。
 私にとっての多くの疑問や、もやもやの答えがこの本には書かれてありました。溜飲を下げるとはこのことかと思いました。素人の私がちょっとやそっと考えたってだめだったのだと本を読んでわかりました。プロである木村さんでさえ数年考えて到達したのですから。

 さて、内容はリンゴ農家である木村さんが無農薬、無肥料に挑戦し9年をかけて到達するという物語です。それまで数年に及ぶ無収入の期間があったり、他の農家から村八分にされたり、そして死のうと行動した末に悟ったこと。もちろんノンフィクションなのですが、ストーリーとしても面白いです。でも、なんと言っても辿り着き理解したことの数々、理詰めではなく、経験からきているので大変分かりやすいですし説得力がありました。読みながら1000円足らずで教えてもらうことにもったいないと思うことしばしば。以下、私が印象に残ったことを記します。

・人間の体でリンゴはできない。リンゴを実らすのはリンゴ。だからリンゴの気持ちを理解しなければいけない。
・とうもろこし畑が被害にあったので、商品にならないとうもろこしをたぬき用に置いたことについて。元々たぬきのすみかだった所を畑にした。それなのに収穫の全てを持っていくから被害にあうのではないか。
・有機野菜も気をつけなければいけません。完熟しきっていない堆肥を使った有機野菜は普通の農薬野菜より、よくない。自然栽培(無農薬、無肥料)の野菜は腐らなく、枯れるのです。

 リンゴの自然栽培に成功した木村さんはその後、他の生産者に請われて自然栽培についてのアドバイスをしているようです。自然栽培が多くの人に認知してもらえる日がそう遠くないうちに訪れることを願うばかりです。わが街の自然食品専門店も、自然栽培のものは売っていませんでした。先週の文化祭では自然栽培のものを扱ってビジネスしている人を一人見かけました。まだまだ、自然栽培の知名度はそんな程度です。大昔は自然栽培しかなかったのです。効率を求めて肥料、農薬が使われた今、その負の部分が見過ごせないと人々は思い始めています。もっと良い方法があるかもしれません。でも安易な先祖帰りと思われようと少なくとも自然栽培というのはひとつの解答であると思います。
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  1. 2009/11/08(日) 21:45:43|
  2. 食(その他)
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