ハチャの深層

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イングロリアス・バスターズ(クエンティン・タランティーノ)

イングロリアスB
 タランティーノの映画はキル・ビル1、2ではまりました。それ以前ではパルプ・フィクションを押さえました。観て思うのは一般のハリウッド映画とは一線を画す独自の映像だということです。ぱっと見、特に変わっているという印象はないですが、やはり違います。多くのシーンが網膜に焼きつくような感じです。表現は良くないですが洗練された映像ではなく、少し荒削りな感じがそういう印象にさせるのではないかと思います。もちろん技術がなくて荒削りな印象を受けると言う意味ではありません。そういう作りという意味です。
 今回のイングロリアス・バスターズは「面白さタランかったら全額返金」ということでよっぽど自信があるようです。しかも、上映時間は2時間を大幅に超えると映画館での1日当たりの上映回数が減るので配給側から嫌われるのもものともせず2時間32分。結論からいうと時間の長さは感じませんでしたし、3時間でも良いように思いました。
 この映画には下敷きの映画がありそれはイタリア映画「地獄のバスターズ」とのことです。舞台は第二次世界大戦のフランス。片田舎でナチのユダヤ人狩りに身を隠していたある一家。残念ながら見つかり殺戮にあいますが一人生き延びたショシャナ。彼女はフランス人になりすまし数年後パリで映画館を経営するまでになります。その映画館でナチへの願っても無い復讐のチャンスが...
 さてバスターズとは連合国の特殊部隊でナチから恐れられています。そのバスターズに特殊任務が入ります。それは映画館でのプレミア上映会にナチの幹部が集まるので爆破せよ。
 この映画はいわゆるドンパチの戦争ではありません。特殊工作レベルでのナチと連合国の息詰まる戦いがこの映画の醍醐味です。戦争なのでたくさんの人が死ぬのですがどのタイミングで誰が死ぬのかはきちんと計算されているところがタランティーノらしいと思いました。
 ブラッド・ピットはバスターズの中尉で出演時間は長いのですが、強烈に惹かれるシーンは無かったように思います。複数の外国語を操るナチ将校ランダ役のクリストフ・ヴァルツやショシャナ役のメラニー・ロランの演技が光っていました。実質の主役はこの2人だと思います。
 今回も例によって第○章という画像が入りチャプター分けされていました。ショシャナの復讐の始まりのチャプターのとき、ショシャナが化粧をし復讐の始まりを印象付けるシーンがあるのですがそのときに音楽が流れ始めます。それがなんとボウイでびっくり。あまりにも見事な選曲と感激でした。
 最後のカットはブラッド・ピットが消えないナチの印をナイフで刻みそれを見てこう言います。「これは俺の最高傑作だぜ」この言葉はタランティーノの自らの作品に対してのセリフだと思います。私は「確かに」と思わず呟いて拍手してしまいました。
 さてバスターズですが、中尉はともかくその他はみんなひ弱そうな連中ばっかりです。どうして?と疑問だったのですが、後で調べるとユダヤ人についてひ弱な印象をハリウッド映画界が作ったからということです。つまりユダヤ人役はみなひ弱そうな人をキャスティングをしたということ。ハリウッドはユダヤ人が作ったらしいので、ということは自己防衛のためのイメージ作りということになります。アメリカでは多くのユダヤ人が映画館に足を運んだと言われています。それはそうでしょう、彼らにとっての復讐の仮想体験ができるのですから。
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  1. 2009/12/05(土) 14:21:13|
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