ハチャの深層

ハチャ独自の視点で ワイン、食、音楽、アート等を レビュ 。 

ベートーヴェンピアノ協奏曲第5番(ルドルフ・ブフビンダー:N響)

 ベートーヴェンはやはり格式の高さを感じます。協奏曲のなかでも皇帝はその別名のとおり一段とそれを感じざるを得ません。演奏者もそれを意識するのか格式を感じるような、そんな演奏ばかり私は聴いてきたように思います。この曲の私の中でのスタンダードはポリーニでした。強い打鍵に息も詰まるようなパッセージ。ポリーニは皇帝然としていました。でも先週末のテレビ放送でルドルフ・ブフビンダーの演奏を聴いて、もしかしたらそれはベートーヴェンの呪縛なのかと思ったのです。
 とにかく始まって暫くすると驚いてしまいました。この曲はどちらかと言うと聴き手を緊張させますがブフビンダーの演奏を聴くとリラックスしてしまいます。決して演奏に締りが無い、ゆるいのではありません。でも聴き手をリラックスさせるそんな音です。こんな皇帝は初めてです。もしかしたら皇帝を弾く演奏者はみんな一様に気負っていたのだろうかとも思いました。みんな皇帝の前で緊張して動きがぎこちなくなっていたのだろうかと思ったのです。そんなことを想像するほどブフビンダーの音楽は大きく、太く、温かく、包み込むようであり、そして人間味があります。それは皇帝という別名からかけ離れた印象です。思ったのですがリラックスというのはきっと安定感、安心感からくるのだと思います。つまりぎりぎりではなく余裕で弾いているからではないかと思います。

 ここまで書いて調べて気付いたのですが、巨匠だったのですね。不勉強でした。いやあ、でも本当に凄かった。最初はながらで聴いていたのですが、いったいぜんたい何が起こったのかと覚醒してしまいました。それで私は立て続けに2度聴いたのです。翌日も一度、さらに今日も聴きました。

演奏日:2010.4.16 NHKホール
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  1. 2010/06/01(火) 00:01:38|
  2. 音楽
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