ハチャの深層

ハチャ独自の視点で ワイン、食、音楽、アート等を レビュ 。 

長谷川潾二郎展

りん二郎
 長谷川潾二郎という画家は知ってはいたのですがなかなか展覧会に行く機会がありませんでした。実はこれは正しい表現ではなく元々展覧会が無かったのかもしれません。公立美術館では初の展覧会とのことですから。遅筆で寡作な作家でしたので展示する作品数が少ないわけです。寡作もそうですが有名な絵はタローという猫の絵だけ。でも彼の絵は独特の世界があります。尊敬していたのがアンリ・ルソーらしいのですがまさに長谷川の世界もそれに近いものがあります。
 長谷川の絵はどれも抑えめの色調です。それは現実感の薄れた長谷川ワールドの色調です。壁、木々など個別の表現はかなりリアルに描かれていますが全体としてはバランスがとれていません。バランスを崩しているというより、長谷川の世界観にするためのバランスにしているのだと思います。それはアンリ・ルソーの表現方法と同じです。現実のバランスではなく、画家の世界観のバランスで描く。
 色調もやや淡い感じのものですが、背景の色などはかなり気を使っているようです。「猫」の背景のグレーとエンジ色。「乾魚」のテーブルがグレー。因みにこの絵はお皿に魚がのっていますが、お茶碗とお椀には何も入っていません。しかももう一つのお茶碗は伏せられています。そして魚がのったお皿は上部が絵からはみ出しています。このバランスが可笑しい。一番びっくりしたのは「キャラメル」で包み紙に包まれたキャラメルが数個の絵ですが、この背景が包み紙と同じような色なのです。キャラメルが目立たないのですが、それは敢えてそうしたのでしょう。包み紙から透けてしまうほど色の濃いキャラメル。その茶色の虚ろ気な存在感を出すための背景色なのだろうと私は感じました。
 長谷川の絵に人物が時折出てきますが、動きは止まっています。ポーズではなく動きのある姿勢なのですが長谷川が敢えて止めているのでしょう。この辺りもルソーと同じです。

平塚市美術館~6/13
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  1. 2010/06/06(日) 19:42:45|
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