ハチャの深層

ハチャ独自の視点で ワイン、食、音楽、アート等を レビュ 。 

菊地成孔 DCPRG(日比谷野音)

 最初に菊地成孔を知ったのはワイン会常連の一人が彼のファンだったから。もう5年くらい経つでしょうか。その人からDVDを借りたりして音楽は聴いてはいたのですがライブに行くまでには至らなかったのです。もちろん、去年だったかオーチャードホールの公演に行こうかと悩んだこともありました。最近の菊地氏の音楽という意味では、NHKの番組で「爆笑問題のニッポンの教養」、「チェイス 国税査察官」のテーマ曲が最も身近です。まあ、かっこいいです。いつも思うのは音楽家というより芸術家、音楽家のことをア-ティストとは言いますが、やはり芸術家がしっくりきます。なんでもできちゃう芸術家、菊地成孔。
 昔は音楽というのは個人の楽曲才能だけで成り立っていました。でも80年代辺りからプロデュースの重要性が高まりました。今はもっと重要でしょうか。菊地成孔が行っているのはアーティストがアルバムを制作するときのプロデュースというのとはちょっと違うように思ったのですが、自らの音楽を作り出すにあたってのセルフプロデュースと捉えると同じとも言えます。現在の音楽は何もかもやり尽くした感があります。だから、今までの断片を組み合わせるというプロデュースという手法が注目される。でもこれが難しい。断片を集めて、それが音楽としてかっこいいレベルで成立させなくてはならないわけですから。断片を集めても集めただけで終わってしまうのであれば、集めた甲斐が無いわけです。コラージュしても作品として評価されるかどうかはわからない美術と同じです。だから、必要なのは知識とセンス。正確に言うなら上質な音楽素材の知識とその錬金術というセンス。菊地成孔の知識とセンスには呆れるばかりである。

 日比谷野外音楽堂での公演ですが、最初は小林桂によるCDスクラッチ、そしてリッチー・フローレスのコンガ。そのあとDCPRG。
 最初は菊地自身によるCDのスクラッチ。これがバラク・オバマの大統領就任演説をその場でサンプリングとして入れていました。「the time has come / the time has come / the time has come・・・」と延々繰り返されるオバマの声がなんとも言えずかっこいい。結局素材の選び方のセンスが良いわけで、音楽以外のいろんな知識がこのセンスを培うのでしょう。菊地のスクラッチですが、最後らへんはちょっとついていけないほどで「えっ」という感じもしましたが、行き過ぎてはいないように思いました。あれはちょっと聴きはいい加減にやっているように聴こえるかもしれません。でもわたしにはギリギリのところを行ったり来たりという加減が凄かったという印象です。
 曲はダンサブルなものばかりで盛り上がってみな踊りまくり。気温17度の夜の雨では踊って体を温めるしかないというのもありましょうが、それが無くとも立たざるを得ない、体を動かざるを得ない音の刻みです。私は後半の変拍子のが好みでした。菊地は基本的に指揮者でみんなのタイミングを手で合図します。そこでパターンが変わったりするのですが、合図無しでも曲調が変化したりします。それは冗長になるのを防ぐため、そしてタイミングは短すぎるのもだめなわけでそこら辺が見事なものでした。私にとってこのタイミングの計り方が一番受けました。何というかあの才能というのは凄まじいものがあります。菊地成孔のことを巷ではパクリと称する見方もあるようです。数年前だったかいろんな画家のパロディーを描いていた横尾忠則もパクリとなるでしょうか。結局のところそれを使った(パクッた)としても、どのレベルまで仕上げるかの力量の差、それしかないのだと思うのです。それこそがプロデュース力なのだと思うのです。菊地は音楽でコラージュする。

菊地日記

2010.10.9 日比谷野外音楽堂
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  1. 2010/10/12(火) 00:43:23|
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