ハチャの深層

ハチャ独自の視点で ワイン、食、音楽、アート等を レビュ 。 

リッキー (フランソワ・オゾン)

リッキー

 時代設定は現代。赤ん坊に羽が生えて...という映画は私は普通なら観ないです。でも監督がフランソワ・オゾンなら話は別です。それでもリアリティとお伽噺、観客が納得できるこの2つのバランスが難しいのは間違いありません。

 子供が出来てしまったとたんに父親が去ってしまった母子家庭のカティとリザ。カティは8歳のリザをバイクで学校へ送って自分は工場で流れ作業の仕事。ごくごく平凡な日々。そんな生活のなか工場には新しい工員のパコが入ってきます。すぐさま、二人は恋仲に。多感な年頃のリザも新しい恋人を受け入れ3人で暮らすことに。そして、もう一人の家族をカティは身ごもります。名付け親はリザ。
「赤ん坊の名前はリッキーがいい」
「どうして?」とパコ
「なんとなく」
 リッキーはすくすく育ちますが、ある時、肩甲骨の辺りにアザできます。カティはパコの虐待と勘違いし口論に。結局パコは家を出て行きます。そのアザはコブになり、そしてついにはそれが割れて中から羽根が。パコを疑ってすまない気持ちのカティも言い出せず終い。カティは羽根を持ったリッキーが世間に知れ渡ると苛められると判断し隠し通します。しかし、ショッピングセンターに買い物に行ったとき、一人になったリッキーはショッピングカートから飛び立ちます。リッキーはテレビのニュースで取り上げられ、それを観たパコが戻ってきます。一家の住むアパートは始終マスコミに囲まれることになり、ストレスが大きくなります。パコはマスコミに少しだけ公開すればどうかと提案します。そうすればマスコミも少し落ち着くし、生活も少し楽になる。そんなパコの提案に「お金のために戻ってきたのね」と最初は怒っていたカティも結局は受け入れることに。そして、マスコミへの公開の日。足首に紐をつけたリッキーは高く高く飛び立ちます。それに見とれて思わず紐を離すカティ。

1時間半と短めではありますがちょうど良いと思います。原作があるようですが、映画化にあたってリアリティという面から書き直したようです。その消化の仕方加減はお見事というしかありません。主役はタイトルからしてリッキー。でも映画はカティとリザ、そしてパコ。間を取り持つのがリッキーという関係。
 キャスティングですがいつものオゾンファミリーではない俳優だったから新鮮でした。主役の4人はそれぞれが持ち味を出していたと思います。ただ時間の多くをリザの視点から撮っていたからという理由でメリュジーヌ・マヤンスが印象的でした。思春期の感情の揺れを見事に表現していました。それから可愛いというより将来美人になるであろう顔立ちのよさもあるでしょう。それにしても頭の大きさは生後数ヶ月のリッキーより小さかったのは驚きました。

 とにかくラストが良いです。全体があってラストがあるのではなく、ラストがあって全体が構成されるが如しです。「まぼろし」に通じるものがあり、だから人生はわからない、そして素晴らしいと感嘆せざるをえません。
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  1. 2011/01/04(火) 22:04:04|
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