ハチャの深層

ハチャ独自の視点で ワイン、食、音楽、アート等を レビュ 。 

養老天命反転地

 地名を聞いてもピンとこないが、近くに養老の滝があると聞けば、あれは地名だったのかとうなずく養老町。そこに天命反転地という現代アートがあります。わかりやすく言えば少し変わった公園です。これは荒川修作とマドリン・ギンズの共同制作の作品です。この公園は平衡感覚を思い出す場所。とにかく平らなところがありません。道もわざと凹凸だったり、右にカーブしている通路の地面が左に傾いていたり。「あの公園は転んだりで危険です」そう言われた荒川は「転ぶために造ったのだから」と意に介しません。

 都市生活をする人々は舗装された平らな道、上り下りはエスカレータなど便利で安全な暮らしをしています。でも便利な代わりにプリミティブな感覚を忘れつつあります。この天命反転地は体の原始的な感覚を呼び覚ますわけで、思い出した体は喜びます。

養老天命反転地1
 海岸の岩場みたいに大きな石を積み上げています。その上に井戸のポンプ。大人は子供に対して「危ないから」と言うのではなく、「気をつけて」と言うべきなのでしょう。

養老天命反転地3
 居室は無く廊下だけの家。廊下も自然と横向きのカニ歩きになるくらい狭いです。

養老天命反転地2
 そして廊下は廊下でないかのように、台所のシンク、ソファー、ベッドなどが存在します。この空間では常識的な感覚を取り払うことを要求されます。


養老天命反転地4
 人ひとりが通れる幅の通路。

養老天命反転地5
 すれ違う時はお互いに横向きでなんとかという程度。離合しやすいように所々に幅が広い所があります。都会で歩いていて人と離合待ち合わせすることは滅多にないですが、ここでは当たり前。そしてコミュニケーションが発生します。
「すみません」
「いえどうぞ」
 通路はカーブしていますが壁面も高いですから声がよく通ります。姿は見えないのに声で接近するのがわかります。そんな経験もあまり無いです。

養老天命反転地6
 地面から結構高いところを歩いているのにも関わらず、両側壁が高いから危険を感じません。こんな経験もあまりないでしょう。徐々に上って一番高いところに到着すると、そこには予想を裏切る結果が待っています。そこで思うのはやられたという感覚。

養老天命反転地7
 突き当りの左右に通路があります。しかし、直ぐに折り返し写真で見える正面の壁の裏を通ります。そして、一周。但し、裏に回った瞬間に光が一切届かなくなります。目を閉じて慣らそうとしても無駄。地面は抜けていない?などと心配しながら一歩一歩慎重に歩きます。

 子供はこんな公園で遊ぶべきでしょう。そして、大人も時々。
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  1. 2011/02/28(月) 01:52:05|
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