ハチャの深層

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ユジャ・ワン ピアノ・リサイタル(紀尾井ホール)

ユジャロレックス

 ユジャ・ワンを知ったのは2007年。シャルル・デュトワを目当てに行ったコンサートのソリストが彼女でした。それから4年経過し世界的には有名になりましたが、日本では今ひとつの知名度です。あの華奢な身体でよくあんなにピアノを鳴らすものだというのがユジャに対する私の印象です。今回はソリストとしてではなく単独のリサイタルです。曲目を事前に調べて予習もしました。気になったのがサン=サーンスの死の舞踏ホロヴィッツ編というところ。たまたまその曲をホロヴィッツが弾くCDを聴くことが出来ました。まずホロヴィッツのピアノにびっくりです。ホロヴィッツのピアノの音があんなに凄いだなんて知りませんでした。音が光り輝いています。曲も凄くよいです。ユジャがピックアップしたのもわかります。

以下が2011.03.05紀尾井ホールでの演奏曲目です。

ラフマニノフ: コレルリの主題による変奏曲 op.42
シューベルト: ピアノ・ソナタ第19番 ハ短調 D958 (遺作)
< 休憩 >
スクリャービン:
  前奏曲 ロ長調 op.11-11
 前奏曲 ロ短調 op.13-6
 前奏曲 嬰ト短調 op.11-12
 練習曲 嬰ト短調 op.8-9
 詩曲第1番 嬰ヘ長調 op.32-1
メンデルスゾーン(ラフマノニフ編): 夏の夜の夢」から スケルツォ
サン=サーンス(ホロヴィッツ編): 死の舞踏 op.40
ビゼー(ホロヴィッツ編): カルメンの主題による変奏曲

[アンコール]
ラフマニノフ:ヴォカリーズ
モシュコフスキ: 花火 op.36-6
グルック:精霊の踊り
モーツァルト(ヴォロドス編):トルコ行進曲

 そもそも12月に曲目変更の案内のハガキが届いたのですが、当日また変わりました。事前に予習したものは演奏されたので無駄にはならなかったです。

 ラフマニノフの曲にはどれも大きな流れがあると思います。最初のコレルリの主題による変奏曲もやや難解な曲ではありますが舞曲ですしそれなりの流れを感じます。でもユジャのテクニックが強調され全体の大きな流れを感じないままに終わってしまいました。これはちょっと残念です。

 シューベルトの曲には視覚的にはどんよりとした曇り空、心象的にはもの哀しさ、悲哀を感じます。シューベルトが地味だと言われるのもそんな印象を聴き手に与えるからでしょう。でもこの悲哀も良しと感じる年代になると聴き方も変わるのでしょうか。シューベルトも好ましく思えるようになります。それは子供の頃には見向きもしなかった「ふきの煮つけ」を大人になってから好んで食べるのに似ているかもしれません。この日のユジャのシューベルトには悲哀は感じられませんでした。元気でクリスプなシューベルト。でもそれはそれで良いと思います。23歳に悲哀の表現は難しいでしょう。

 スクリャービンは良かったと思います。ユジャのテクニックの良さがよく出ていました。会場からのブラーボの声もかかりました。

 さてこの日のハイライトは死の舞踏だと私は思います。これは良かったです。但し、ホロヴィッツのようにはいきませんでしたが。でも充分に素晴らしい演奏でした。きっと彼女はホロヴィッツの演奏を聴きこの演奏をしたいと思ったことでしょう。普通はこの曲を演奏したいと感じるところを。

 アンコールは4曲。ユーチューブでトルコ行進曲を観てあっけにとられて演ってくれたらと思っていたのですが観れました。でもユーチューブの演奏ほどアグレッシブではなかったです。抑え気味ではなく表現を変えていました。私はこの日の方が好みでした。

 ユジャの魅力は多用するルバート、そして音の抑揚だと思います。その配置の想像性が良いのです。

 リサイタル終了後はCD、DVD購入者向けにサイン会が開かれていました。それにしてもロレックスコマーシャルにユジャが使われているなんて知りませんでした。

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  1. 2011/03/06(日) 12:03:28|
  2. 音楽
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