神尾真由子は私にとって不思議なヴァイオリニストである。サラ・チャンのように指の動きを越えた音楽性、庄司紗矢香のような安定した音でもない。実はさして好みの演奏ではないのだがどうしても音に惹かれるのです。最初に彼女のチャイコフスキーを聴いたときもそう思ったが神尾は神尾の世界観を作っているのだろう。世界観と言えば五島みどりである。私は五島の世界観はどうしても好きになれない。それはともかくあそこまで独自の世界観ではないが神尾も彼女の世界を作り上げていると思う。意識しているかいなかは別としてである。
この日のプロコフィエフのバイオリン協奏曲第2番は観客の反応はそれなりだったのだが私は大変受けた。この演奏でブラボーの声が掛からないのが不思議だった。曲自体に魅力が足りないからというのはあるかもしれません。でも曲の魅力を演奏が補う、もしくは曲のイメージを変える程の演奏をするというのはまさに演奏家冥利だと思うのです。
2011.06.08サントリーホール N響(放送NHK BS 2011.08.21)
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- 2011/08/21(日) 20:53:06|
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