
バッハ:フランス組曲第5番
ベートーヴェン:ピアノソナタ第27番
ブラームス:4つの小品
シューマン:子供の情景
ショパン:24の前奏曲Op.28より第8番
マズルカ第21番
スケルツォ第3番
アンコール
ショパンとシューベルト
数いるピアニストの中で好きなというのはいろいろいますが、凄いとなるとそういません。私の中ではアルゲリッチとマレイ・ペライア。アルゲリッチは数多くの演奏を見聴きしていますがペライアはCD1枚のみ。それでも凄いと感じたのです。音が違います。
音の違いですが生で聴いても同様でした。音が生きています。それは恐ろしいほどのリアリティです。生々しい音です。最初のバッハはバッハに聴こえませんでした。流れるようなパッセージは涙を誘うほどです。リリカルさを表現する時も音の中心には核があるように感じます。演奏は人間臭さを感じません。無機質でも無く、正確無比な機械的でもありません。程よい「人らしさ」です。しかし、これは自然にそうなったのではなく見事に制御されたものでしょう。それも制御されていると感じさせないほどの制御です。それはアンコールを聴いたときに確信しました。アンコールの時の音はそれまでとは違っていましたから。
それにしたもバラエティに富む曲目です。驚いたことにどの作曲家もその作曲家の一般的なイメージの音に聴こえませんでした。全てペライアの音。ペライアのフィルターを通した作曲家の音です。結局のところそれが凄いのだと思います。ペライアの音はとにかく美しい音です。そしてその美しさの中には見事なまでの規律があります。そう、ペライアの音はまさに規律のある音です。
アンコールが終わって照明が明るくなった後、再度ペライアが出てきたときも観客は殆ど残っておりそしてほぼ全員が立ち上がって万雷の拍手。こんな光景滅多に見ないです。
2011.11.5 サントリーホール
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- 2011/11/06(日) 11:52:14|
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