ハチャの深層

ハチャ独自の視点で ワイン、食、音楽、アート等を レビュ 。 

ブラームス ヴァイオリン協奏曲 リサ・バッティアシュヴィリ

 演奏が凄いのではない。演奏が表現しているものが凄いのだ。

 先日、友人に「ハチャに観せてもらったリサ・バッティアシュヴィリのことだけど」と水を向けられて全く思いだせないでいました。調べると3年ほど前に録画しておいたショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲第1番を観せていました。実はこの時の演奏の感想はブログにアップ(2009.2.16)していました。第3楽章のカデンツァから惹かれ出したとありました。去年の暮れに観たチェ・イェウンの同曲は第1楽章が凄かった。話を戻します。
 今回はリサ・バッティアシュヴィリのブラームスのヴァイオリン協奏曲です。これが素晴らしかったのです。彼女は曲の優れた構成や理論的なことでは無く、音楽自体が語りかけてくる音楽が好きだそうです。それを裏付けるように彼女の演奏からは何か醸し出されるものを感じます。それはフレーズ、パッセージ等より曲が訴えかける何かを感じ、それを彼女のフィルターを通して表現しているからでしょうか。化粧からではなく、内面から素肌を通して出る色気、強い太陽光が作る陰影のコントラスト、歴史を感じる街並みが醸し出すエキゾシズム。抽象的な表現ばかりですが、演奏からそんな印象を感じたのです。それは出身国であるグルジアの影響があるようです。それは本人も認めるところで「グルジアには面白く美しい音楽が多くあり、それが一つの大きな強みだと思う。あまり知られていない国をルーツに持っていることの恩恵は大きい」と言っています。現代では若いころからいろんな国の演奏家の音楽を聴くことができ、それは演奏家のとても良い肥やしになるでしょう。でもいろいろ聴けば聴くほどその影響を受け平均的になりその人の演奏スタイルもそれに同化するのでしょう。彼女の先ほどの発言は的を得ています。テクニックが飽和に達した現代にあって聴衆が渇望するのは演奏家の個性なのですから。私にはバティアシュヴィリのヴァイオリンの直接音はあまり耳に入ってきません。それより音が表現するもの、事柄、表情のほうが入ってきます。それを色香、たおやかさ、優しさ、母親の強さと表現してみますが、あくまで個人的な感覚にすぎません。でも少なくとも彼女は音の先にあるものを表現しようとしているのは間違いないことで、それを私が感じたことも事実です。彼女の演奏ならなんでも聴いてみたいと思わせるのは曲を彼女のフィルターに通せば彼女の思いの色に染まると思うから。そのフィルターが彼女の特異な個性であり現代にあっては貴重な音楽性。そして、それこそがリサ・バッティアシュヴィリの最大の強みだと思います。

2011.12.9 サントリーホール 2012.2.12 NHK BS放送
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  1. 2012/02/13(月) 21:58:22|
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