ハチャの深層

ハチャ独自の視点で ワイン、食、音楽、アート等を レビュ 。 

美術品の流転とコレクション

 日曜午前に放送されている新日曜美術館という番組をほぼ毎週観ています。
 最近製作者が替わったのでしょうか番組のテーマに変化が見られます。以前は1人のアーティストや開催中の展覧会に焦点を当てて番組を構成することが殆どでしたが最近はそんなこと無いです。

 先週の内容は一つの美術の名品の所有者を巡る複数の物語でした。美術の名品が人手に渡るきっかけとなるのは戦争による勝利国の没収、所有者の事業の失敗、財産税の強化による等々がありますが、いずれもやむを得ない理由です。そして、そのとき、間に介在するのは、美術商、コレクター、オークションなどがあります。以前からその作品が欲しかったコレクターがようやく手に入れることや、この作品を日本から流出させてはいけないという美術商の決意など、作品が人手に渡る時にはいろいろな想いや物語があるようでした。そのなかの一つに特に印象的なコレクターの話がありました。コレクターがずっと想い焦がれた陶器がついに売りに出されると聞き、何とかオークションで落札したのです。念願かなったその日はそのコレクターは床の間に飾って寝たのです。しかし、その翌日の昼過ぎには体調が悪くなり、その次の日には他界したのです。そのエピソードを聞きながら、私はこのコレクターは喜びの極みの瞬間に死んだのだから幸せだったのではないだろうかと思ったのです。しかし、私のそんな思いをよそに司会者の山根基世はやっと手に入れたのに死んでしまうなんてなんと不幸なとコメントしたのです。もちろん司会者の言うとおりなのかもしれないです。でもその言葉を聞いたゲストコメンテーターは私と同じような感想を述べていました。それに続けて願いが叶わないうちは死ななく、叶うと死んでしまうということですねと続けました。まあそうかもしれません。とにかく絵の流転の物語はまさに時代を表していました。

 さて、コレクターというのは事業主のように富が必要という性格から男性が多いです。もちろん、最近では女性経営者だっているでしょう。でも女性コレクターというのはあまり聞きません。もっと広範囲に考えると高価な物ではないもののコレクターだっていますが、やはり男性が多いです。考えてみると、秋葉原のフィギュア類が入ったレンタルショーケースの借り手求め手もやはり男性が圧倒的に多いです。コレクターに男性が多いという話は番組中に出て来た話でした。何故なんでしょうと山根基世が尋ねたのですが、物に対する愛着が男性の方が強いのではないでしょうかと、ゲストコメンテーターはかわしていました。

 コレクション好きの男女差は言われてみれば大きいです。少し考えてみたのですが男は結局この世で最も難しく、しかも喜びの大きい子供を創る(生み育てる)ことを持たないという宿命ゆえではないでしょうか。その代替としてコレクションに向かってしまう。少なくともその宿命は意識すればするほど寂しいものです。考えたくないと無意識に思うのではないでしょうか。

 私は何もコレクションはしていません。ワインだって集めているのではなくただ飲むだけです。何しろワインセラーすら持っていないくらいですから。思い出しましたが、実際は蒐集しているものがあります。思い出の蒐集です。正確に言えば蒐集にたる、シーンを一つひとつ創りだしているだけですが。
スポンサーサイト
  1. 2006/02/08(水) 01:15:17|
  2. アート
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<普通列車グリーン車のシステム | ホーム | フェルシナのワイン会>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://mwzelda.blog22.fc2.com/tb.php/67-89a3dac3
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

ハチャ

Author:ハチャ
アーティスティックなものが好きな私です。

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する