ハチャの深層

ハチャ独自の視点で ワイン、食、音楽、アート等を レビュ 。 

Fumiko's Kitchen

狐野扶実子

 私の周りには狐野扶実子ファンが何人かいます。彼女の料理本を去年購入したのですが、今年になってそうであることを知るにいたりました。お互い興味の対象が似ているということなのでしょう。狐野扶実子は単なる料理人の粋を超えた人であるという認識が共通なのでしょう。
 最近、料理本購入時にはレシピはもちろんのこと、哲学を求めるようになりました。平たく言えば哲学を感じる料理本しか興味がなくなったということです。狐野扶実子の料理本はアラン・デュカス、山口浩に続いて哲学を感じる本でした。
 さて、その哲学とは素材を大切にする。素材の良さを極限まで引き出すための手間はいとわない。彼女には面倒という感覚がないように思えます。もちろんプロですのである程度はわかるのですが、彼女の場合は果てしないです。
 ゆで卵の作り方が書いてあったのはびっくりです。冷蔵庫から出して常温に戻す。沸騰しない程度の湯に入れて黄身が中心に来るように時々転がしつつ9分。その後、汲み置きしておいた水に入れる。
 これは一見するとこの通りすれば誰でも出来るという究極的なレシピ表現ですが、別の見方をすれば愛しい卵をできるだけ美味しく仕上げるということに思えます。これは勝手な想像ではなく、本を読めばそうだということがわかります。とにかく素材にストレスを与えないことと彼女は言います。肉にストレスを与えないということは10年以上前から言われていますが野菜を含めて素材全般に対して使っているのは狐野扶実子が初めての気がします。

 今回購入した本には最後辺りに調理方法について詳しく解説している頁があります。
・かぶをゆでる。
・帆立を焼く。
・アスパラをソテーする。
 一般の料理本なら数行で終わるようなことですが、この本では2頁に渡り考え方と工程を写真20枚弱使って説明しています。凄いです。きっとこれをトレースするかどうかが分かれ道なんでしょうね。

 本当に美味しい料理を作るためには、必要条件としてはレシピですが、十分条件は考え方だと最近思います。考え方とは例えば「愛する子供のために」だってよいのです。その考え方があることでその人のレシピに統一感が生まれ、調理の方向が同じ向きとなるのでしょう。これは極めて重要なことです。食べ手に伝わるのは美味しさだけではなく、作り手の考え方、思いなのです。

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  1. 2013/07/21(日) 10:43:42|
  2. 食(レシピ)
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