ハチャの深層

ハチャ独自の視点で ワイン、食、音楽、アート等を レビュ 。 

そして父になる(是枝裕和)

そして父になる

6歳の息子をもつ2つの家庭に当時出生した病院から突然の電話。お知らせしたいことがあるので来て頂きたい。それは「息子さんを取り違えた可能性がある」という事実。
2組の両親は「なんで似ていないのだろう」という6年の思いに合点。その反面、これからどうすればよいのかと苦悩。血をとるかそれとも....
取り違えた2つの家庭はまず、家族同士仲良くなります。そして、それから週末だけ息子2人を血のつながった本来の家庭に戻します。それを繰り返したあと、ついに週末限定を外します。
 一方は貧しいながらも家庭的、かたや裕福ではあるが父親は家庭をあまり顧みない。子供が欲するのは裕福かどうかではなく、自分を大切にしてくれるかどうかです。それは理性ではなく本能です。でも普通の子供は複数の親を経験しないから親の愛情の比較はできません。どちらが自分を大切にしてくれるのかなどというのは、比較の状況が発生しない限り判断する必要はないわけです。だから普通、自分の親の愛情を子供のうちは「そんなもの」と思うのでしょう。

 父親からあまり顧みられなかった子供は、血のつながった本当の父親の愛に触れ、その位置から今までの育ての親を見てしまうようになります。
 その逆に今まで家庭的な家族に育てられた息子は、あまり構ってもらえない血のつながった本当の父親の元へ。今までとは違う境遇に耐えかね思わず育ての親元に帰ってしまう。こんな経緯があって、今まであまり子供を顧みてあげなかった父は「父というもの」に目覚めます。

 「子供は親を選べない」という表現が世の中では時折使われます。例えば親による子の虐待のニュースなどのとき。スピリチュアル的な側面からはここでは割愛するとして、確かにそうです。でも、是枝はそんな側面をこの映画で表現しました。こういうやりかたは映画玄人に受けるから、カンヌ映画祭で審査員賞の受賞となるのでしょうか。よく練られた脚本、表現方法がいつもながらお見事。
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  1. 2013/10/03(木) 21:15:39|
  2. 映画
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