ハチャの深層

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北村朋幹の音楽性

文化会館


 音楽性という言葉を忘れて久しい音楽ファンのかた多いのではないでしょうか。音楽性はあって当たり前だから言葉や活字に出ないだけだとも思えます。確かにポップミュージックなどの新しい曲を次々出していくジャンルは音楽性が売り物です。でもクラシックはそういう意味では特別なジャンルです。楽譜は既にあるのでそれに則り演奏するのです。だから他者と差をつけるには基本的にテクニック、そして解釈でしょうか。解釈は独自にしたとしても、どう表現するかはその次のことです。だからこそクラシックはテクニック偏重の傾向となるのでしょうか。

 北村朋幹は第3回東京音楽コンクールピアノ分門で2位無しの1位となった。1位無しの2位は聞いたことありますが、2位無しの1位なんて聞いたこと無いです。

 1位無しの2位とは1位にするとコンクールの価値が下がることを避けるための処置です。では2位無しの1位とはどういうことかを考えるとそのコンクールでの通常1位のレベルを超えるがための措置と考えられます。北村の卓越した音楽性が評価されてのことらしいです。それを聞いたのが去年の秋。随分待った気がします。

 東京文化会館で東京交響楽団との共演です。当日はヴァイオリン、声楽部門で1位の出演もありました。北村は今回特別に設けられた審査員大賞にて最後の登場です。演目はモーツァルトのピアノコンチェルト第20番です。

 事前に、ブーレーズ指揮のベルリンフィル、ピレシュのピアノで予習しました。若い演奏者を聴きに行く前の予習としてはやりすぎな気がしますが、現在のライブラリはこれだけでしたのでしかたがありません。

 4ヶ月ほど待ったのですからとっても期待して望みました。第1楽章前半は手が温まらないのか無難な感じでした。中盤から落ち着いたのかとても良くなりました。そして楽章最後のカデンツァは圧倒的でした。思わずにやりとする部分や、息を飲むような部分など、とにかく凄かったのです。この時点で審査員が心打たれた音楽性を解しました。

 第2楽章は割りとすうっと流れました。第3楽章は聴かせました。そしてまた楽章最後のカデンツァで聴かせました。誰の作曲かは分かりませんでしたが割と思い切った表現でした。もちろん若いからこそ大胆になれるのかもしれません。同じ曲を何度弾けば弾くほど上手くこなせるのでしょうが新鮮さが薄れるということもあります。まだ飽きるほど弾いてない時期の心のときめきのような新鮮な感覚が今の北村にはあります。音楽性は素晴らしいですが、それは年齢を重ねて出る深みというのではありません。でもそれなりの音楽経験を積んだ人が出すようなものと、少なくとも私は感じました。いや待ってください。彼のキャリアは11年でした。ピアノは3歳から始めたとか。
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  1. 2006/02/14(火) 00:00:52|
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