今年は10周年記念とのこと。作曲家テーマはありません。それで選択したのはオーソドックスなもの。まずは、ミシェル・コルボによるフォーレのレクイエム。このフェスティバルで過去一度聴いています。
出だしのイントロイトゥスとキリエ、そして、後半のリベラ・メが好きです。後半に涙しました。フォーレのレクイエムは優しい気持ちにさせる曲ですが、ローザンヌ声楽アンサンブルは慈愛に満ちた雰囲気を醸し出していました。印象的だったのはソプラノのシルヴィ・ヴェルメイユの歌唱力。単語の発音を犠牲にした滑らかな発声でした。流石にフォーレのレクイエムの第一人者のミシェル・コルボという公演でした。
続いてラフマニノフのピアノ協奏曲第2番はソリストがボリス・ベレゾフスキーです。圧倒的なテクニックを持つベレゾフスキーにはロマンはあるのか、いや無い。そんな演奏でした。鋼、理知的、冷淡、硬質、そんな言葉を彷彿する演奏でした。この曲はやはり第1楽章が聴きどころですが、この日は第2楽章のルバートを多用した圧倒されるタイミングが印象的でした。とにかく完璧にコントロールされている演奏です。それをクールな顔、仕草でやってのけるのです。必死さ一切無しの演奏。だから、同伴者が「なんかCD聴いてるみたい」とのこと。つまり、音の圧倒的さとヴィジュアルが一致しない違和感からだそうです。
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- 2014/05/04(日) 00:29:31|
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