ハチャの深層

ハチャ独自の視点で ワイン、食、音楽、アート等を レビュ 。 

バルテュス展

バルテュス
 多くの画家がそれに失敗するだが被写体の捉えようもないものを捉えようとする。例えば印象派は光を、優れた肖像画の多くはモデルの内面を表す。バルテュスは何を捉えようとしたのかがわからないという不思議な画家である。結果、「彼の絵にはペスト、嵐、疫病に匂いがする。倒錯的な官能主義者、異端の画家。」などと言われる始末である。

 デビュー時はエロティシズムを使って挑発を試みた。これは一般には受け入れられなかったが、大物の画家や詩人などは反応が良く、結果として極少数の目利きにしか受け入れられなかった。

 私が思うにはこれを表すというより「AもしくはB、そのどちらか」というバランスだろう。鑑賞者の心をざわつかせることが多いのはそのせいではないだろうか。

さて今回の展覧会は時系列の展示でしたが、やはりデビュー直後の時期の絵が良かったです。
 「乗馬服を着た少女」、「キャシーの化粧」、「猫たちの王」
そして、「夢見るテレーズ」これは別格である。
エロティックかと言われれば「ノー」である。それを想起させるものがあるのは間違いないです。例えば、モデルの下着が見えること、表情がややそれを想像させること、そして、傍らで猫が牛乳を舐めている。
ここで思うのは素晴らしい仕上がりという感情とエロティックな感情の間を行き交うことです。それこそが、バルテュスの狙いであったのではないか。

 さて、ローマとロシニエール時代の中にも惹かれるものがありました。「読書するカティア」当時ヴィラメディチ(イタリア在のフランスの文化的な大使館)に住んでいたのですが、モデルを右隅に置き殆どがヴィラメディチの壁が背景となっています。ヴィラメディチはバルテュスが復元した館ですが、その壁もそうです。驚いたことに絵の壁の部分にもカゼインとテンペラを使って壁と同じような処理を施していたのです。ヴィラメディチはいつか出ていく必要があったから絵の中に残したのでしょうか。

 バルテュスは自然光の中でしか絵画を描かなかった人です。だから美術館の中も通常よりかなり暗かったです。それにしても、変わった人です。

~2014.06.22東京都美術館
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  1. 2014/06/01(日) 14:17:18|
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