
クリスティアン・ティーレマンによるドレスデン国立管弦楽団による演奏。ブラームスのピアノ協奏曲の第2番のソリストがマウリツィオ・ポリーニでした。2013年の演奏でしたので70歳は超えています。この前ポリーニを聴いたのはシャイー指揮による皇帝だったと思います。それも10年ほど前でしょう。曲調からかその時は、相変わらずの印象でした。打鍵が強く良く鳴っていた記憶があります。しかし、今回のブラームスはだいぶ変わったようです。大きな音というより良い音を出そうとしているようです。ダイナミックさは相変わらずで、これはきっとずっと変わらないのでしょう。今回、音が良いと感じるパッセージが結構ありました。ルバートについては、はっきりしたものはあまりなかったのですが、微妙なニュアンスを出しているものが時折あって、枯れた感じの印象を受けました。もちろん、これは視覚的なものの影響があるでしょう。
ポリーニはどうしてもショパンの衝撃的な印象が拭えません。手を傷めないのかと心配するほどの打鍵時代は年取ったらどうなるのだろうと、楽しみだったのですが今がまさにそうなのです。演奏家の表現と聴き手の感性、好みが、同時代に変化しそれを確認出来ることの無上の喜びを感じました。そう多くはないのです。とにかく相手と結んで、後は待つのみ。
演奏終了後、立って拍手するのは彼と同年輩の人ばかりなのをみて私と同じ思いなのかと思いました。
演奏:2013年1月 ドレスデン国立歌劇場
放送:2015年2月16日 NHK BS Premium
スポンサーサイト
- 2015/02/17(火) 21:42:30|
- 音楽
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0