ハチャの深層

ハチャ独自の視点で ワイン、食、音楽、アート等を レビュ 。 

アンドラーシュ・シフ ピアノ・リサイタル(2014年)

アンドラーシュ・シフ
 ソリストの目的とは何であろうか。ヴァイオリニストのサラ・チャンが指の動きを超えた音楽家が目標であるとインタビューで表現したのを覚えています。指揮者ではチェリビダッケが音楽の化身と言われ、フルトヴェングラーは音楽の上に立つ人と称されました。
 魅力的なピアニストはたくさんいます。テクニックを売り物にする演奏家はそれを求める聴衆には受けるでしょう。しかし、テクニックは演奏表現と言う目的の手段にすぎないと思っている人にはそれほど受けないものです。

 さて、アンドラーシュ・シフです。私には彼がピアノを弾いているのをあまり感じません。それは、彼の目的は音楽を奏でることで、その手段がピアノを弾くことだからだと思います。通常のピアノで表現できるレベルを遥かに超越しています。速弾き等のぱっと見、ぱっと聴きの違いがあるわけではありません。ピアノを弾くと言う手の動きは通常のピアニストと大きく違うわけではないのです。そして音の違いもそれほど感じません。しかし、音楽としての印象は他のピアニストとは歴然とした違いがあります。

 この事実には全く驚きました。スケール感、知的な感覚、耳ではなく心や魂に訴える表現。例えて言う波乱万丈な冒険小説、ひとり熱く語る舞台俳優、はたまた静かに朗読する吟遊詩人、そして、純粋な情緒そのもの。シフの奏でるピアノを「音」という言葉で表現することはできません。そう考えても音を超越しています。これはたまたま成ったのではないと思われます。つまり、計算され尽くしての純粋なる音楽表現。もし、そうだとしたらアンドラーシュ・シフには全く頭が下がります。素晴らしい芸術家です。

演奏:2014.03.19 東京オペラシティ
放送:2015.03.23 NHK BS Premium
ピアノ:ベーゼンドルファ
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  1. 2015/03/24(火) 23:04:28|
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