ハチャの深層

ハチャ独自の視点で ワイン、食、音楽、アート等を レビュ 。 

目隠し飲みの悦楽と瓶差

 ル・ギャルソン・ドゥ・ラ・ヴィーニュにて
「この人偏屈だから」
男性3人組のひとりのお客にそう言われるメートルの飯野氏。
「この人とはシャルル・ドゴール空港で初めて会ったんですよ。」
「そうですね」
「会ったときから偏屈だった」
今日も面白い人達が来ているようです。そんなやり取りを聞きながらワインを頼みます。
「今日は白にしましょう」そう飯野氏が言い、新しいボトルを抜栓しグラスに注ぎます。
「素晴らしいね。(品種は)なんだろう?」
「当てて下さい」
「いいけど...シャルドネっぽいけど違うね」
「確かにシャルドネみたいなところありますね」
ピンと来る品種は一切でなかったのでやむなく近いものを出す。
「シュナン・ブラン?」
「いえ、違います」
「ソーヴィニョン・ブラン、アリゴテではないね。ルーサンヌ、マルサンヌだと私分からないからね。」
「大丈夫です、皆さんがよおくご存知の品種です」
「ヴィオニエではないし、アルザスのでもないし、あと残っているのミュスカデしかないじゃない。違うでしょ?」
「いや、そのミュスカデです。」

Melonix


「これがミュスカデ!?これがミュスカデってわかるの?」
「難しいですね。でもミュスカデのニュアンス感じると思うんですけど。このワインは熟した感じとかありますよね。」
「確かに熟した感じはある。でも、ということはまさにミュスカデっぽくないわけだね」
「そうですね」と苦笑する飯野。

3人組の席ではマーセル・ラピエールのマーセル・ラピエールを飲んでいました。
ラピエール


さる航空会社に務める男性が
「これガメイだけなの?メルローとか入っていない?」
驚きました。ボージョレでメルローってありなのだろうか?私が知らないだけ?
「分かった、マセラシオン・カルボニックしてないんじゃない?」
「いえ、決まりでしないといけないんです。ただ、普通はタンクの空気を抜くのですが、ラピエールは炭酸ガスを注入するんです」

「次ぎ飲みましょうよ。じゃあ白をボトルで」
飯野氏は私が当てられなかった白を出していました。どうもその男性はブラインドを申告したらしいく最初に発した言葉はこうでした。
「これ、シャルドネじゃないよね」
なんてことでしょう私と同じようなこと言ってます。
と、同伴の男性が
「これって答えのカウントに入るの?」
確かにそうです。本人は「・・ではない」と答えではないと宣言しているのにもかかわらず、その是非を問うている。普通の方はずるいと思ってしまうのでしょう。この辺の話はまた後日にでも。

 ところで白ワイン最初のボトルは飯野チェックにてブショネで取り替えになりました。すると、すかさず先の男性がブショネを確認したいと頼んで飲んでいました。でも、結局わからなかったのです。ついでに私も試したのですがやはりわかりませんでした。

「さっき飲んだのと同じだと思うけど味は大丈夫じゃない?」
「味じゃなくて香りの方です」

 因みに飯野氏のハードルが高すぎるゆえこの店にはホストテイスティングがありません。
「NGが3、4割とか言っていたけど、NGはどうするの?料理に使う?」
「料理に使ったり、返したり、つまり交換ですね」
「交換してもまた、NGかもしれないじゃない」
「しょうがないですよね」

 状態の悪いワインに出会うことがたまにあります。私は20以上のチェック項目を設けて何とか避けようとしていますが、やはり3%は出てしまいます。ワインバー等の店主に聞くと10%位は出るねと言います。飯野氏の3、4割というのはかなり厳しいと言えます。品質に問題は無いのだが同じロットの中でもボトルによって味が微妙に異なる場合があり、これを瓶差という表現を用いることがあります。飲むのに支障がないという許容範囲内だと瓶差で片付けるのですが、飯野氏の判断ではブショネとなるのかもしれません。
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  1. 2006/03/06(月) 21:23:18|
  2. ワイン
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