ハチャの深層

ハチャ独自の視点で ワイン、食、音楽、アート等を レビュ 。 

ブラインドテイスティングなるもの

 そもそもブラインドテイスティングは自分のテイスティング能力向上または、その能力の確認のためにするものです。自分の鼻、舌と知識に問題がないかどうかの確認です。ブラインドテイスティングは能動的に積極的に数多く行わないとその能力が上がらないものです。そもそもブラインドにするには他者の協力が必要です。ですからワインフェア-のブースなどで有料試飲があるとき、ブラインドで出してくださいとお願いすることがたまにありました。
 でもブラインドテイスティングは一般にはゲーム性の強い行為に捉えられているかもしません。もちろん、上手い構成をとれば楽しいものです。「国」、「品種」、「収穫年」の順に問い、正解を明かします。そうすれば「国」で当たらなかった人も、次の「品種」、「収穫年」で再度トライできます。
 そうは言っても提供するほうは普通とは違う主張をしているワインを出したい衝動に駆られるものです。主張とはその品種らしからぬ、またはその経過年数とは思えないようなものです。そういうものを出しておいて、当たらない人に対して何らかの罰を与えて喜んでいるのは恥ずべきことで子供のやることです。

 ではどうするのか。

 一度横浜の後藤酒店で何人かの集まりがあったとき興がのってブラインドテイスティングがありました。実際は20年経過した白ワインでした。でもずっと若く感じました。だからみんなの答えは、7年から10年辺り。店主のゴトーファーザーは「みんな正解」と言いました。みんなそれぞれ違うヴィンテージを答えているのですからみんなが本当の正解になるわけがありません。本当の答えは20年経過です。しかし実際に味わいは7年から10年辺りですので、そういう意味から正解と言ったのだとみんなは理解しました。
 「20年経っているなんて思えないよね。素晴らしいね」と締めくくりました。こういう明かし方はひとつの形です。どういう形が一番良いのかはなかなか難しいです。

 品種の答えを言う時「シャルドネ、じゃないよね」などと「じゃないよね」というのはずるいように思えます。そもそも自信のないずるい人もいるかも知れません。でも普通はきっぱり言い切りたいけどできないゆえの答えです。つまり、頭の中で自分の品種知識と擦り合わせしてもこれというものが何も出なかったときにやむなく言う言葉です。ですから「じゃないよね」と最初に言ったら基本的には自分の持つ思い出せる回答群の中にはないと宣言しているのと同じです。それで、自分の回答群で違うと判断したことがあっているかどうかを確認するために回答群を発します。回答群の中に正解があればもちろん不正解です。回答群が出尽くしても正解がなければ、再度見逃した自分の引出しがないか探します。これはこれでなかなか厄介です。

 ブラインドテイスティングとは供出するほうが楽しむサディスティックなものではなく、テイスティングする方が楽しむマゾヒスティックなものなのです。頭の中の過去のテイスティング・アーカイヴと擦り合わせて楽しむ悦楽です。
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  1. 2006/03/08(水) 21:36:42|
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