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祝大野和士モネ劇場初来日

 大野和士、日本人指揮者ですが海外での活動が長く、現在はベルギー王立歌劇場(通称モネ劇場)管弦楽団の音楽監督で基本的に日本にはいません。ですから私も3年前まで知りませんでした。知ったきっかけはHNK交響楽団の12月恒例のベートーヴェン第九の指揮、2002年のことでした。大野和士の第九は実に素晴らしかったのです。その後、一度来日し都響を指揮する機会がありすぐさまチケットを購入しました。ストラヴィンスキーの春の祭典が最後の演目でした。当日わくわくしてサントリーホールに行ったらなんと首に怪我をして来日できない旨張り紙がありました。代役は広上淳一で特に感動もなく終わりました。でもまあ、こういうこともあるでしょう。そのアクシデントがあって大野への思いは募りました。そして、ようやく自身の楽団を率いての来日です。首都圏では横浜でラヴェル主体、初台ではマーラーの交響曲第5番。初台での公演は平日でしたが、マーラーの5番は魅力的だったので迷わずこちらにしました。
 開演時間にまず大野自身が一人で登場し、モネ劇場での初来日なのでモネ劇場と演目の説明をしました。最初はフィリップ・ブースマンス「トラーケルリーダー」これは現代音楽です。 第一と最終楽章が全く同じで、間の6楽章がそれぞれ異なる構成です。
 さてマーラーの交響曲第5番ですが、大野のダイナミックさが出ていました。ダイナミックではあっても荒くはない。第一楽章で旋律は暗い、アンニュイなのにヴァイオリンが弾力ある弾けるような、しかもしなやかな音を出していた部分がありちょっとその表現にびっくりしました。一番印象的だったのはアダージョです。アダージョそのものももちろん良かったのですが、その指揮がバーンスタインに似てました。テンポ、弦の重ね具合とそのうねりのかけ方。大野のマーラー5番は70分程度でウィーンフィルでのバーンスタインの74分より短いですが、アダージョは同じテンポでした。さらに驚いたのはアンコールがまたアダージョです。まさにこれこそアンコール(もう一回)です。公演終了後はパンフレットとCD購入の人対象にサイン会。いつもいつもとっても熱い人です。とにかく指揮振りは身体全身で表現、もちろん脚も動かします。手、腕では音のニュアンスをできるだけ伝わるよう表現します。こんなですから演目が終わった時の顔がちょっと疲れ顔です。だから思うのは「大野熱いなあ」これで心動かない団員はどうかしてるよという感じでしょうか。
 さて熱いばかりが大野ではありません。今年春にヘンツェのバッサリーズをフランスでの初演時にオーケストラ団員が加入していた組合のストライキにて出演できなく公演中止の危機のときのことです。オーケストラパートを3台のピアノ用に自ら連日徹夜にて編曲して公演を敢行し公演中止どころか大成功に導いたという考えられない出来事も成し遂げています。まったく凄い人です。できればベルリンフィル、ウィーンフィル、ロイヤルコンセルトヘボーのいずれかの頭に就くことを願うまでです。

大野パンフ


大野和士
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  1. 2005/09/27(火) 23:03:09|
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